まずは本日の最初のポイントでもある、丁須の頭を目指して進んで行く。
この丁須の頭は裏妙義の最大の難所とも言われ…その上に登って見たくて、何度も写真で見返した記憶がある。



雪の中、看板を便りに進んで行く。 上級者コースではこの看板と目印を追って行かなければならない。
道が間違っているかな?と思えば、周りにこの目印をひたすら探せば良いって事なのだ。



上に登れとの事なので、登ってみると。



第2の鎖場が表れた。見る限り対したこと無いように感じるかもしれない。
しかしこの丸太1つが無いと下まで落ちてしまう。
恐らく2mぐらい落下する事になるんじゃなかろうか…。



靴一足分の幅。雪がある為…足を滑らせたら最後。大怪我は免れない。
足先で慎重に雪を払い落としながら進む。



第3の鎖場に到着。
雪が無かったらそこまでキツいわけではない。しかし、パウダー状になった雪は靴底で散らそうとしても凝灰角礫岩特有のざらついた表面と凹凸にうまく入り込んでいて取れない。

すなわち、ツルツルと滑る岩を己の腕力のみで登らなければ行けないので…一気に難易度が増す。



鎖場を突破すると日当たりも良く、雪が無いのですんなり歩いていける。



見えるだろうか?樹に小さく看板が取りつけられているのを。この通りに行くとかなり急な斜面を登れと言うことになる。
前回こんなのあったっけ?
と思いつつも、足場のほとんど無い道を二手に別れて登る。

お互い声を掛け合いながら、『そっち目印あるー??』『無いよー!』をひたすら繰り返す。下を見ると恐ろしい程の角度。イコールもう引き返せない事を意味した…。
間違いなく落ちたら…逝く。

男子諸君ならわかるであろう。あっ…ここ一歩間違ったら死ぬ!って場面で、
タマタマがキュッ!!
となる感覚が…ッッ!!
友人Yの方はもう掴まる所も無い、頼むから落ちないでくれと願いつつ…半信半疑で樹を掴み身体を引き上げる。
写真など撮ってる余裕も無い。
ようやく登りきったが…目印はどこにも無かった。



しばし離れて探索を続ける。
元来た道は雪と枯れ葉で滑る為、降りるとしたら違うルートを探さねばならない。
10分後…右も左も切り立った崖になっている事から、道を間違えた事に気づく。
人が足を踏み入れた形跡も全く無く、獣の糞がそこらじゅうに落ちている。

警戒心が強い彼奴等が人間の近くまで来ることは稀だ。
すなわちここは…道では無いことを意味する。



とりあえず体力をつける為にお昼にする。
太陽が出ていても、山の風は容赦なく体温を奪っていく…。
寒さに限界が来たので、急いで別のルートで降りる場所を探す。
結局一時間のタイムロス!!
風のイタズラで看板が上を向いてしまったのか、意図的にやられたものなのかわからないが正規のルートの方向へ直しておいた。

元の道まで何とか戻り、丁須の頭を再び目指す。



しばらく行くと巨大つららを発見。



男ならいや…中二病なら誰だってやりたくなるだろ!
ってなわけで、二刀流で構える。
この後二人で戦ったのは言うまでもない。


続く…。