ダイヤのA(エース)をじっくり掘り下げようとトライする読者が書いているブログ。

成宮vs御幸2回目の対戦については、前回ブログ 272話 御幸にフラれた成宮の切ない恨み節 に書きました。

 

御幸の打った内野フライは三塁手の矢部が掴んで、ツーアウト。因縁の相手を打ち取った成宮、力強くガッツポーズ。

 

次のバッター前園、怖い顔で「ガッツポーズなんて珍しい。それだけ集中してたってことか。ええんやで。油断してくれても」

 

青道高校の打点王、前園、初球を攻撃。だが

アナウンサー「鋭い当たりも、サード矢部、さばいて、スリーアウト。クリーンナップでチャンスを作るも、青道、この回も先生ならずー」

 

残念、前園。スタンドで応援する渡辺ら3年生チームメート「悪くない、悪くないよ。ガンガン振ってプレッシャーかけて行こう!!」

 

成宮独り言「今の終わり方スッキリしないなー」

プレッシャーを感じてますね。

4回表を0点に抑えたものの、思ったより苦しかった成宮。最初のバッター小湊春市には三振に打ち取ったけれどもファールをがんがん打たれ、次の白洲には二塁ヒットを打たれ、3人目の御幸には自慢のチェンジアップで空振り取れずにバットに当てられ、4人目前園には鋭く打たれたので、サードを抜けていたらマズかった。この回の打球は全部、サードの矢部が取ってアウトにしてくれた。だから成宮もさすがに、矢部の方をみて拍手、矢部は小さくガッツポーズ。内野手って喜びを控えめに出すものなのか、と思った。

 

その間、青道ピッチャー降谷、一見無表情のようで怖い目してマウンドへ。この目は降谷が「ゾーン状態」にあるってことだ。スーパーサイヤ人状態。十分集中できている様子。ゾーン状態については以前のブログ30巻 第269話 成宮ゾーン状態、でも負けてない降谷で書きました。

 

 

決勝戦4回裏。最初のバッター成宮、打席に入って、御幸に話しかける。

当てとく?俺が退場したら勝てるかもよ

自分にデッドボールを当てたら楽に勝てると、挑発。御幸答える。

・・・・なら、ベースから離れて立っとけよ

 

御幸、最初の「・・・・」のところで、成宮の言葉の意味をしばらく考えていたようですね。成宮は、挑発しつつも、弱気です。好調な降谷の豪速球をはたして自分に打てるんだろうか・・・そういう心配が、この成宮の言葉に表われています。打てる自信が半分でもあれば、もっと強気な言葉が出たか、何も言わず、すぐバッティングに集中しようとしたでしょう。むしろデッドボールにでもしてくれたら、メンツも保てるし、楽だなあー・・・とかの潜在意識かも。御幸の返した言葉は、つまり「打ちたくないんなら、打つ気がないんなら、ベースから離れてつっ立ってたらいいでしょ」。頭の回転の速い御幸らしい名返答!

 

さあ、マンガのページをめくると、弱気バッター成宮のショータイムの始まりです!

 

ショーの目玉は成宮の、百面相。気持ちだけが先走り、体は降谷の豪速球を捉えられない。そこから、いろんな面白い顔面が次々と繰り出されます。

 

成宮、御幸の「ベースから離れて立っとけ」という返答を聞いて「やだね。打つの好きだし、打てちゃうし」(←バッターとして優秀なのは事実)と自分を奮い立たせ、①カッコいい闘志をその横顔に見せます。が・・・降谷の縦スライダーに成宮は②体勢を崩して「んぎっ」と情けない顔③「このぉ・・・」と自分を立て直そうと踏ん張り、高めの豪速球が来て、④のけぞり気味に「おおっとー」顔。その次はファールを打ったようですが、⑤顔が見えません。青道OBの会話「粘るな」によると5球目もファールだったようです。6球目はアウトコースらしき球を体勢崩してファールを打ちつつ、⑥顔も崩れて片目をつぶり、口も歪んでます。青道OBの会話によると成宮は「投手が嫌がることをわかって」粘ってファールにしているようで、⑦イヒヒ笑いの悪者顔で「楽しくなってきたあ」でも投手に嫌がらせをするので、精一杯。そこに投げ込む降谷の豪速球が決まって、成宮のバットはかすりもせず、豪快な空振り。⑧自分の空振りに驚く成宮の姿が一面に大きく描かれてる。スイングした体勢がかっこ良いので、かえって、すごく、可哀そう。観客もみな驚いて、口をあんぐり・・・ここで成宮が見せた⑨呆けた顔には笑った!ぎゃはは、成宮がこんな顔するなんて~!自分で空振りしたこと、まったく信じられなかったようで。成宮を圧倒したアンビリーバブルな降谷のピッチングだったんだね。

 

いやいや~、こんなにいろんな顔の成宮を見せてくれて、ファンに大サービスしてくれて・・・もう成宮のプレーを見られるのはこの決勝がたぶん最後なのでしょう。ん?もしかして、稲実が決勝で負け、成宮は引退、青道が甲子園に行くっていうフラグ

 

多分そうなるのでしょう。そしてダイヤのAは、いまだかつてない世界に入っていく。

 

青道がこの決勝で勝つというフラグは今まで何回か出ていました。以前のブログ 第267話 その3:国友監督の誤解 にも書きました。ですが恐らく最強の稲実敗戦フラグは、決勝を目前にした稲実野球部長と国友監督という大人どうしの会話。部長は青道のようなチームを迎え撃つのは大変だと不安げでした。それに対して国友監督は、迎え撃つのではなく我々はチャレンジャー(挑戦者)なのだと答えました。そして視線は下を向いたまま沈黙・・・。では、1年前の決勝直前の二人の会話はどうだったのか。コミックスを数十巻さかのぼってみたら、甲子園の話をしていたのです(つまり決勝で青道に勝つということ---実際その通りになった)。

 

 

話を戻します。

バッター成宮を、高校生離れした豪速球という力でねじ伏せた降谷。観客大喜び「どっちもすげえ。アツすぎる。なんだこの投げ合い。今日出るんじゃねえか160km。降谷暁、完全復活だろ」

 

高校在学中に降谷の球速は160キロに達する、というフラグかもしれません。

現実世界がマンガを超えるようになってきてますからねー。マンガの方が現実に追いつかないと。降谷の156キロは作中の球速ランキング1位です。現実世界のランキングは、1位が佐々木、2位は大谷です。↓

 

 

 

 

降谷の豪速球に大騒ぎの観客の声で盛り上がるなか、沢村の心臓はドッドッと鳴り始めた。沢村「あれ・・なんか・・この感じ。」そしてセンバツの時の悔しいシーンが沢村の脳裏に蘇った。センバツでは降谷があまりに好調で無双。甲子園が観客の興奮で揺れているなか、不調の沢村はブルペンで降谷を見ていることしかできなかった・・・

 

そんな沢村の異変に、1年生キャッチャー奥村が気づいた。果たして沢村は大丈夫なのか、と読者を不安にさせて272話は終わりました。

 

それにしても奥村って、ほんと、ゲームのキャラみたい。キャッチャー用ヘルメットとプロテクターを付けた姿は、戦士キャラのよう。彫が深く髪と目の色が薄く、この人、日本人?お母さんは普通の日本人ぽかったな。東京なのに自宅はとても広そうで、リビングの窓から見える外の景色はプールかな。自宅は神奈川に近い東京らしいので、世田谷区か大田区の高級住宅地なのかな。

 

次回ブログ 273話 沢村のジェラシー に続きます。

 

 

272話は30巻です。