「ああ、この世に生れ
巡り逢う奇跡
出会う奇跡
すべての偶然が
あなたへと続く」
~61歳での紅白初出場を果たした秋元順子さんのヒット曲「愛のままで」より
母が初めて父と出会ったころ、「あんな傲慢な男と結婚する女はいない」と、女友達に言ったそうだ。
二人はとあと数年で金婚式を迎える。
昔に観た古いイギリス映画で“Sliding Doors”(1997)というのがある。映画の女主人公がある日仕事をクビになり、やるせない気持ちで会社を出たが、電車に乗り遅れた時、それに間に合った時と間に合わなかった時の人生の展開を二つの物語として並行して描く構成。
電車に間に合わなかったがゆえに、同棲中のボーイフレンドの浮気現場に遭遇することなかったが、それが幸いだったのか、災いだったのか、物語の終わりまで行かないとわからない。なかなか面白い映画だった。
偶然と必然の境目はどこだろ?突発的な出来事が、実は避けられないさだめだったかもしれない。
一つ先か手前の曲がり角を選ぶことで、出会う風景や人々が違う。そして、曲がった道の先がまったく違う方向へ人を導く。近道だと思って角を曲がって見たら、遠回りになったりする。遠回りしたと不満に思ったところで、意外と面白い発見に遭遇したりする。
人生はプラン通りに行かないから面白い。運命の輪は時はゆっくり進んだり、思いにもよらないところで止まったりもする。失ったものよりも得たものに目を向ければ、やはり、Life is good.との結論に達する、と私は考える。
年をとるにつれ、父の傲慢さも半減。
果たして、「まさか、自分が」と思った母が父と結婚してよかったかどうか、そのうち訊いて見よう。




