ひどい人になれたらいいのに、というのが

「いい人」であることに毎日必死な私の

長年の夢だったなぁ、と気が付いた。



ひどい女

ひどい妻

ひどい母

ひどい娘

ひどい社会人

ひどい若者だった、ひどいおばさん

ひどい客、というような

ひどい人であっても


自分が好きで

そんなひどい人を、好きでいてくれる人がいるという

そういう、ひどい人になれたら楽だなぁ、と

思っていた。



なぜなら、

「いい人」でいるには

ものすごいエネルギーがいるから。

「いい人」でいるだけで

生活のすべてが終わる。

したいことをする余裕なんて残らないうちに

どんどん、日々の時間が過ぎる。



そんなに頑張っているのに、

「いい人」の私は、「役に立つ」とは言われても

愛されていない。

「こんな少ないお手当で一生懸命働いてくれて助かるよ」とは言われても

豊かになれない。

世の中には、周りには

「ひどい人」なのにちゃんと生きてる人が五万といる。

ズルいじゃない!

そうやって心の中でさけびつつも

「いい人」じゃなきゃいけないと思ってる。

「ひどい人」になんてなったら生きていけないと思っている。





だいたい、

その「ひどい人」って

どんな人?


私のイメージでは

「人にどう思われてるかなんて全く気にしないで

自分のしたいことをしている人」。



・・・それって

「その人ありのまま」ってことじゃない?





私って、

自分のありのままは「ひどい人」だから、

それを隠さなきゃいけないって

思い込んでいるんだ、と分かった。




ひどい人で上等、

そんなひどい人の自分に

自分だけでも惚れ惚れしてりゃいいや、ということにしよう。

あんなに憧れていた「ひどい人」だもの、

自分のヒーローじゃない?



それならいつでもすぐになれる、

「ひどい人」になるわ、あたし。