長谷川等伯 ~没後400年 特別展~ | Lapislazuliのブログ

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桃山時代の絵画の巨匠 長谷川等伯(1539~1610)
没後400年 特別展東京国立博物館 平成館で開催中

昨日は冷たい雨の降る一日でしたが
多くの人が東京国立博物館へと向かっていました雨

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門の入り口にはこのような看板がてん

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『ご確認のうえ』じゃなくて『ご覚悟のうえ』じゃないの?
なんて思いながら、チェックを受けて敷地内へ雨

この展覧会では国宝3点重要文化財27点
重要美術品1点を含め78作品を展示しています

こちらは、等伯の最高傑作と言われている作品
国宝「松林図屏風」(東京国立博物館蔵) 6曲1双の屏風

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この屏風に逢えたのは今回で2度目
昨夏の、対決 巨匠たちの日本美術という展覧会以来

墨の濃淡の表現だけで霧を表現し、湿った空気、木の匂いまで感じられそう
そして、この霧に包まれた松林をどこまでもさまよい続けそうな感覚になります

国宝「楓図壁貼付」(京都・智積院蔵) こちらは4面の障壁画

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国宝「松に秋草図屏風」(京都・智積院蔵) 2曲1双の障壁画

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京都・智積院は、豊臣秀吉の3歳で死去した鶴松の菩提寺
秀吉の命を受けて描かれた方丈障壁画です

花鳥図は、ライバルと言われた狩野永徳率いる狩野派に作風がよく似ていますが
等伯のこの2枚の国宝には、狩野派とは一味違う優しさと繊細さと儚さがありました

そして何より驚いたのは、花のハイライトに当たる部分の白を
油絵のように厚く塗っていることでした(下3枚は部分拡大したものです)

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能登に生まれ、生家から養子に出され、絵仏師としてスタートして30歳代で京都に上洛
何の後ろ盾もなく自分の実力だけで、豊臣秀吉に召し抱えられるまで上り詰めた長谷川等伯
もしかしたら、秀吉は等伯に昔の自分を見ていたのかな?という思いがよぎりました

山水や中国風の水墨画も手がけている等伯ですが、竹の描き方はすごいなと思いました
筆に付いた墨のかすれた線が、竹の繊維の感じそのものだと思いました
また竹林は、国宝 松林図と同様墨の濃淡で奥行きや霞んだ雰囲気を表現しています

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左の「枯木猿候図」(部分)の猿はグッズとしてぬいぐるみも売られていました
毛は繊細なタッチで描かれていて、遠くから見るとふわふわ
右の「波涛図」(部分)は京都・禅林寺の大方丈の襖絵を6幅の掛け軸に改装したもの
荒々しく岩にぶつかる波は近寄ってみると、繊細で柔らかな曲線で描かれています

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「枯木猿候図」は京都・龍泉庵 所蔵、「波涛図」は京都・禅林寺 所蔵で
いずれも重要文化財に指定されています

こちらは「仏涅槃図」(京都・本法寺蔵)

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26歳で亡くなった等伯の後継者だった息子久蔵の7回忌に本法寺に納められたもの
この大きな作品の裏には、日蓮上人や祖師、本法寺の開祖以下住職や
等伯の養祖父母、養父母、息子など一族の名前が書かれているそうです
篤い信仰心と一族への祈りの込められた、縦10m×横6mの大作です

この事実を知って、彼の年表を見て、改めて「松林図屏風」を見ると
絵師として最高の地位まで上りつめてた等伯でしたが、私人としての等伯は
この果てしなく続く霧のかかった松林を歩いているような人生だったのかなと感じました
この作品になんともいえない寂しさや悲しみも感じるからです

私はこれまで、長谷川等伯のほんの一部しか知らなかったことを痛感しました…汗
全ての作品を観終えての感想は、すごい!すごすぎる!というものでしたきらハート
400年の時を超えて長谷川等伯という絵師に少しだけ近付けた気がしたのと同時にキラキラ☆
もっともっと彼のことを知りたいと思う、久々に感動した展覧会でしたキラキラ

この展覧会は
東京国立博物館・平成館 2010年3月22日(月)〔月・休館〕まで
                  最終日3月22日(月)は祝日のため開館 
京都国立博物館 2010年4月10日(土)~5月9日(日)〔月・休館〕まで

国内に存在する、ほぼ全ての作品を一挙に観ることが出来るこの貴重な展覧会に
足を運んでみられてはいかがでしょうきらきら