山本周五郎「赤ひげ診療譚」  Merci Madame S.


面白かった…。

山本周五郎。

もう4、5冊は読んでいたけれど、入り込めない感じ。


で、これを読んで深い溜息、好きです。


書かれたのは、なんと、1958年。

手もと(写真)にあるのは、1997年73刷版。

(アマゾンをチェックしたら、今現在も新品在庫有りの現役本)

読み継がれている……。


短編連作(全8篇)。

文章も古くなく、すんなり自然に読めます。


赤ひげって有名ですよね?

現代の赤ひげとか書かれてた医者の新聞記事を覚えています。

あれのモデルが、この本の赤ひげ? だったのかな。


  長崎に医学を学んで江戸に戻った青年医師と、

  赤ひげと呼ばれている小石川療養所医長のふたりが主人公。


暗く、切ない話がばかりだけど、明るいのです。

生きることって、ある意味、儚(はかな)い。

けれど、この本を読んでいたら、素晴らしさをも感じられたのです。

こういうのって稀有だと思う。





おしまい。







※ サン・ポール・ヴァンスにあるコレジアル教会の飾り板。

  素朴で可愛らしい。

  この教会、なんと、12世紀だって、創設(この彫り物も当時から?)。

  古いものっ、いいな。

  30日②教会の入り口