13日①藤沢周平「霜の朝」  Merci Madame S.


静かに落ち着いた本を読みたい。

なので、今日は藤沢周平。


短編集です(11篇収録)。

武家ものから、お店もの、しっとり読ませてくれる作品群でした。


ふた作品ほど紹介を。

一番目に収録されたいたのは若い武家夫婦の悲劇。

その原因を作った悪徳次席家老を報復するのは、若夫婦の下男。

見事に本懐を遂げるんです。


もう一つ。

仕合わせ薄い暮らしを続ける女が、

ある一瞬で、夫を見限る話しは、タメ息もの。

彼女には、大女の劣等感があるんです。

耐えて、耐えて、ぷつっと限界を超える音が聞こえたような気がします。


みんな、それぞれに読みがいがあります。

ほんと、裏切らない最高の作家・藤沢周平ですね。




おしまい。






※ 先週、数年ぶりにサン・ポール・ド・ヴァンス(Saint Paul de Vence)へ。

  16世紀に作られた街で、ニースから2~30キロ(観光地)。

  前に比べ、ギャラリが増えた気が( ↓ は古いイメージ。モダンアートも多々あり)。

  今日更新の http://lapiefr.exblog.jp/ は、この街の普通のお家のドア写真。

  観光の街の心意気なのか、目を惹くデコレーションがいっぱい。

  13日②複製画