10日①桐野夏生「残虐記」  book off Paris.


骨太なのに繊細、独特の小説だと感じさせる作家さん。

(たまにアレって作品も)


さて、本書。

少女誘拐監禁事件の被害者が中心にくる小説。

本人の手記と云う形?で夫が紹介してゆくんです。

重なり合った想いと、時間の流れが重なって、ちょっと、複雑な構造。


けれど、それが物語に引き込まれてゆく要因ともなっています。


タイトルが、ちょっと怖いけれど、直接的なものは少なくソフト。

心の傷のほうに趣が置かれています。


ただ、ラストの夫の独白が、少し怖いかな。

全体を通して、すっきりしない。

きりっと感がないんです。


再読はしない…、と、思ってしまった。




おしまい。







※ 昨日の日曜日、ニース~カンヌ・マラソン開催。

  折角の日なのに、午後から雨が。

  でも、朝の8時にニースをスタート。

  雨の中の選手たちと云う光景は、多分なかったかなと想像。

  (写真は午後3時ごろ)

  10日②雨