好きな作家さん。
今回も、軽快で可笑し味アリの1冊。
この作家さん、登場人物が普通と少しずれててユニーク。
この個性のあり方が、好きなんです。
主人公は、新米教師。
実家の屋根裏から、
明治維新直後の頃に英国女性と恋に落ちた、当時、珍しい通訳(イトウ)の手記を発見。
読んでみると、興味深いもの、けれど、後半部分が欠落…。
その捜索の物語なんです。
はじめは、生徒と二人の探索。
でも、判明したイトウの孫の娘が出現して、一気に面白くなる。
この女性がヒロインになって物語は展開してゆきます。
明治という時代と、現代とが交互に現れてストーリーが展開されるんだけれど、
これが、巧みで読みやすい。
女性の意識の変化も、さらりと書かれてあってフムフム。
最後は、ちゃんと見つかって、イトウの恋の顛末も納得。
面白いお話しでした。
ただね、明治の「イトウの恋」は終了したけれど、
現在進行形の、主人公とヒロイン・イトウの孫の娘の恋は、ちと、尻切れトンボ。
あれ?
これはウン年後に誰かが小説にしてくれるのかしらん?
おしまい。
※ 週末、いつも通る元映画館のビルの飾り物。
ちょっと、不気味っぽいけれど変わっているからご紹介。
でも、この顔付も不思議だけれど、色遣いも…。
黄色とピンク…。どう、思う?