12日①藤沢周平「三屋清左衛門残日録」 book off Paris.


家督を息子にゆずり、悠々自適の隠居となった主人公。

年老いること、世間との係わりと距離。

死ぬまでは元気で、自分らしい暮らしに前向き。


淡々と綴られた時代小説。


しかし、ここまで静かというか、落ち着いたお話しって初めて。

これまでに読んだ藤沢周平の作品とは一味違う。

控えめな主人公…。


そして、優しいです。


人にも、そして自身にも。

ひょっとして、著者が持つ希望の老後を重ねた作品?

いやいや、そこまでは穿ち過ぎかな。


静かな落日。

人の死も、その様なものでありたい。

深読みしたくなった本でした。




おしまい。







※ この季節の代表は、ハイビスカスと並んで、この花。

  かさかさと乾いた花のブーゲンビリア。

  これは、ピンク。

  このほか、もっと濃い赤や薄いピンク、オレンジ色や真っ白も。

  いずれの色も、真っ青の空に似合う花。

  12日②ブーゲンビリア