家督を息子にゆずり、悠々自適の隠居となった主人公。
年老いること、世間との係わりと距離。
死ぬまでは元気で、自分らしい暮らしに前向き。
淡々と綴られた時代小説。
しかし、ここまで静かというか、落ち着いたお話しって初めて。
これまでに読んだ藤沢周平の作品とは一味違う。
控えめな主人公…。
そして、優しいです。
人にも、そして自身にも。
ひょっとして、著者が持つ希望の老後を重ねた作品?
いやいや、そこまでは穿ち過ぎかな。
静かな落日。
人の死も、その様なものでありたい。
深読みしたくなった本でした。
おしまい。
※ この季節の代表は、ハイビスカスと並んで、この花。
かさかさと乾いた花のブーゲンビリア。
これは、ピンク。
このほか、もっと濃い赤や薄いピンク、オレンジ色や真っ白も。
いずれの色も、真っ青の空に似合う花。