28日①稲見一良「ダック・コール」


初めての作家さん。

きれいな表紙、タイトルもシャレてるなと思いながら読み始めました。


面白い。

出だしは、石に鳥を描くむさ苦しいオヤジさんと主人公の出会い。

これだけなのに、独特の雰囲気が漂い出すのです。


もうもう、嵌ってしまった。


長編ですが、短編連作風です。

石の鳥に魅せられた主人公が見る夢の世界がストーリーへ。

そのそれぞれを、1篇として紡いであります。


読了後、大きなタメ息。

またも、素晴らしい作家さんが見つかった。


で、ネット検索。

どんな作家さん、どんな作品が……。


1931年生まれ、1994年没(享年63歳)。

作家として認められていたものの、

本職(テレビCF・記録映画プロデューサー)が忙しく、

病となってから、仕事を作家に絞って作品を上梓、9冊を残す…。

……合掌。




古くない。

まず、それに驚いてしまう。


物語りが、自然と人との触れ合いに絞ってあるから?

素晴らしいです。


そして、何よりシャレてる。

粋? いや…、美意識。

そう、確固たる美意識のある小説と受け取りました。





おしまい。









※ 終末は、まさに夏。

  写真は午後1時過ぎ、まさに夏でしょ。

  でもね、でもね、水は冷たい。超冷たい。

  泳ぐのには、根性が必要。

  (早朝に泳ぐ人はいるけれど、やはり、午後はゼロのよう)

  28日②週末のビーチ