23日①藤沢周平「花のあと」 (単行本1985年発行。文庫本化は1989年)


昭和の終り頃に書かれた短編の収録本(7篇)。


この作家の本は「哀しい」と、去年までは思い込んでいました。

まっ、あるにはあるけれど、そればかりではないと反省。

今年に入ってから、いいな、いいなへと変更です。



この短編集の主人公たちは、男女が半々の構成。

すべてが暗くないし、前向き。

最初の作品なんて“ひょうきんだな”っとさえ感じてしまった。


女性の主人公も、もちろん、どの作品も健気で元気。

(藤沢周平という作家さんは女性を、

ちゃんと人間として小説にしてて、嬉しくなります)



表題作、面白いです、ユニーク。

父親に仕込まれて、なかなかの剣の腕前を持つ主人公(女性)。

結婚が決まる前に、

手合せが叶わなかった強い人と手合わせしたいと父親に懇願。


で、負けてしまうのだけれど、これが後のストーリーの鍵になる。


婚約者男子が、面白い人物設定。

あれやこれやで、主人公、あっさり人を切り捨ててしまう……。

これの後始末を、これも、あっさり婚約者殿は片付けてしまう……。

とても面白い見事な展開。


登場人物が、ほんと魅力的であり、無理がないストリーなのです。

藤沢周平……、唸ってしまうほどよいです。



褒め過ぎになりそうなので、この辺で。





おしまい。








※ まだ、続いてるクリスマス市の店先。

 これはイタリア食材のお店。

 トマト、アーティーチョーク、茸の瓶詰め。

 壁には渡ドライソーセージもぶら下がってる。

 そのまま、おつまみとして食べられるものがあって美味しそう。

 23日②ノエル市場