昭和の終り頃に書かれた短編の収録本(7篇)。
この作家の本は「哀しい」と、去年までは思い込んでいました。
まっ、あるにはあるけれど、そればかりではないと反省。
今年に入ってから、いいな、いいなへと変更です。
この短編集の主人公たちは、男女が半々の構成。
すべてが暗くないし、前向き。
最初の作品なんて“ひょうきんだな”っとさえ感じてしまった。
女性の主人公も、もちろん、どの作品も健気で元気。
(藤沢周平という作家さんは女性を、
ちゃんと人間として小説にしてて、嬉しくなります)
表題作、面白いです、ユニーク。
父親に仕込まれて、なかなかの剣の腕前を持つ主人公(女性)。
結婚が決まる前に、
手合せが叶わなかった強い人と手合わせしたいと父親に懇願。
で、負けてしまうのだけれど、これが後のストーリーの鍵になる。
婚約者男子が、面白い人物設定。
あれやこれやで、主人公、あっさり人を切り捨ててしまう……。
これの後始末を、これも、あっさり婚約者殿は片付けてしまう……。
とても面白い見事な展開。
登場人物が、ほんと魅力的であり、無理がないストリーなのです。
藤沢周平……、唸ってしまうほどよいです。
褒め過ぎになりそうなので、この辺で。
おしまい。
※ まだ、続いてるクリスマス市の店先。
これはイタリア食材のお店。
トマト、アーティーチョーク、茸の瓶詰め。
壁には渡ドライソーセージもぶら下がってる。
そのまま、おつまみとして食べられるものがあって美味しそう。