20日①飛鳥井千砂「はるがいったら」 (文庫本、2009年)


初めての作家さん。

この本がデビュー作で初々しさ(?)のあるお話しでした。

(2005年、すばる新人賞受賞作)


両親が離婚した姉・弟。

小さい頃、二人が拾った犬がはる。

弟は高校生に、姉はデパート勤務で、同居ではないものの仲良し。


淡々とした話で大きな事件もなく…、

けれど、アイロニー溢れちゃってますよ。


体の弱い、だけど、老犬はるを面倒見る優しい弟。

でもでも、離婚後、父親側に残って義理母・兄と同居で、それなりに苦労してる。

姉の方も、母親は再婚しなかったけれど…、だからこそ?

しっかりした母親のもとで、それなりの孤独感にさいなまれてる姉。


今の時代だなあ。

個人的というか。

けれど、優しい人間関係も残っていて、いい話に仕上がってる。



はるという犬のこともすこし。

はるは、ストーリーの裏を支える存在…、この姉弟の精神的な要かな。

小説のなかでも、意味のある登場は少ないのだけれど。

(不思議なありようだけれど、欠かせないんですよ、この犬)



そうだよねえ、って、タメ息が出た小説でした。




おしまい。





 

※ いつもの散歩コースを歩いていたらカモメさんに遭遇。

  かなり、そばで飛び立ったので慌てて撮ったら、こんな写真に。

  かわいい横顔でしょ?

  20日②カモメの飛翔