初めての作家さん。
この本がデビュー作で初々しさ(?)のあるお話しでした。
(2005年、すばる新人賞受賞作)
両親が離婚した姉・弟。
小さい頃、二人が拾った犬がはる。
弟は高校生に、姉はデパート勤務で、同居ではないものの仲良し。
淡々とした話で大きな事件もなく…、
けれど、アイロニー溢れちゃってますよ。
体の弱い、だけど、老犬はるを面倒見る優しい弟。
でもでも、離婚後、父親側に残って義理母・兄と同居で、それなりに苦労してる。
姉の方も、母親は再婚しなかったけれど…、だからこそ?
しっかりした母親のもとで、それなりの孤独感にさいなまれてる姉。
今の時代だなあ。
個人的というか。
けれど、優しい人間関係も残っていて、いい話に仕上がってる。
はるという犬のこともすこし。
はるは、ストーリーの裏を支える存在…、この姉弟の精神的な要かな。
小説のなかでも、意味のある登場は少ないのだけれど。
(不思議なありようだけれど、欠かせないんですよ、この犬)
そうだよねえ、って、タメ息が出た小説でした。
おしまい。
※ いつもの散歩コースを歩いていたらカモメさんに遭遇。
かなり、そばで飛び立ったので慌てて撮ったら、こんな写真に。
かわいい横顔でしょ?