吉村昭の短編集「魚影の群れ」表題作。
3日目の同本エントリー、今日が最後。
今回、あらすじをザーッと書きます。
(いやな方はパスお願い)
この作品が発表されたのは1973年(S48)。
40年前、そんな大昔ではないのに時代的な距離感があります。
この本を読んで、ますます、実感、昭和は遠い。
舞台は津軽海峡に面した漁村。
偏屈なためか妻に去られたマグロ漁の漁師である主人公は、
置き去りにされた娘と2人暮らし。
年頃になった娘は、漁師の後を継ぐという恋人を連れてくる。
無視を続けたいが、一人になるのも嫌なので自分の船に青年を載せる。
で、事故が発生。
マグロの当たりがあった際に、その糸が青年を襲った。
すぐに戻って病院へが常識、でも、漁師魂は…。
当たった獲物を引き上げたい主人公はマグロとの戦いを止めない。
1時間も遅れて病院へ収容されるも、何とか助かり退院する青年。
だか、漁師の元へは戻らず、
三重県尾鷲でのマグロ漁修行へ、もちろん、娘とともに。
そして、数年後、一人前となった青年と娘が戻ってくる。
主人公へ挑戦を挑むように……。
で、ですね。
その青年、主人公と同じように当てたマグロを諦めないで遭難。
白骨遺体となって、後日発見される。
それも、大物のマグロの骨を引きずって。
ラスト。
書いちまいました。
あらすじなんて無視の「本話」がしたいと思ってたけれど、
今回は掟破り。
まっ、たまにはね(だって、圧倒的に凄かったもの)。
どうですか?
上記のようなお話を、淡々と哀愁を込めて、
仕事に生きる男の世界として書かれてる短編。
ほんと、日本の小説。
最高です。
(女はどうする? いや、女は強いっ)
おしまい。
※ この短編、1983年(S58)、相米慎二監督によって映画化。
キャスト、緒形挙、夏目雅子、佐藤浩二。
どんな映画になってたのかなあ。
You Tube で予告編を観たら、恋人がなんと喫茶店オーナーの青年だって。
すっごい違和感。
でも、相米慎二監督ですもんね。
魅せてくれる映画となってるのことでしょう。