本、ときどき海-29日山本文緒「おひさまの…」


コバルト文庫の復刻版。

( ↑ は、少女小説の文庫名称)


この作品を最後に、彼女は一般小説へ転向。

コバルト文庫10冊目が、この表題作だったそう。

(デビュー作「プレミアム・プールの日々」併載)


実はコバルト文庫、名のみぞ知る存在で今回がお初。


この作家さんの本は、すでに5~6冊読んいて、好きな作家のひとり。

(なので、パリのブックオフの棚で2冊並んでたのを迷わずゲット)


表題作は、幼馴染みの恋の行方。

面白いのは視点。

男の子と女の子ふたりの三角関係へ陥っちゃうのだけれど、

そこで、女の子同士の友情へと展開。

なかなか、面白いです。


処女作のほうは、高校生男子の爽やか系。

こっちの方が好きかな。


で、

巻末にオマケでエッセイを書いてるんです。

これが、非常に面白い。


このエッセイ、小説家の本音トーク。

表題作のことを「小賢しい」と明記しちゃってる。

まあ、この巻末文章だけでも読んでも楽しめました。



この作家、ほんと、実力派。

大人向けの一冊目で吉川英治文学新人賞を、

2年後には直木賞も手に入れてる。





おしまい。





※ 明日から初夏のフランス風物詩的な自転車レース、ツール・ド・フランス開催。

  今年は、開催3日後の7月2日にニースでチームトライアル25kmが行われる。

  先日はアイアンマン、そして、これ。

  通常は、自動車の騒音・排ガスがあるワガ家前。

  レースって、大歓迎。

  声援や拍手は心地良いもの。