本、ときどき海-25日玄侑宗久「中陰の花」


表紙タイトルに小さく添えてある文章は、

「中陰とはこの世とあの世の中間」という説明です。


人は死んだ瞬間から49日まで、人には見えない姿で、この世に漂う……。


チベットの「死者の書」を、随分前に読んだので、

この小説に関しては、そうなのねえ。

お寺さんの内側、夫婦の物語りとして読みました。


ところが、裏表紙にさえ説明なしの併載作品「朝顔の音」がよいのです。

残酷です。

一人の女性の生き方。

人との係わり方が、とても下手です。

可哀想そう過ぎてしまう。

でも、きっと現実にはあると思えて切ないです。


久しぶりに入れ込んんで読んでしまった。




おしまい。





※ 朝顔に気が曳かれて、「夜の朝顔」という本を読了。

  薄い本なので「卵の尾」という本へも手が伸びて……。

  我慢してたのに、1日2冊を読んじゃって、反省。

  窓の外は、輝くほどの夏の海なのに。

  麻の軽いジャケットを纏って、気取って歩いてみる?

  (きれいなお姉さんなら似合うよねえ、後は言わずもがな)