「空色勾玉」、「白鳥異伝」、


そして、今回の「薄紅天女」で、“勾玉三部作”の最後。


日本の神話を土台にしたファンタジー。





ワタシが19歳のときに、母が亡くなりました。


結構、いろいろな思い出を残してくれています。


そのひとつが、


日本が生まれるときの話し。




十代半ば、何で男と女ってこうも違うのかってイライラした時代がありました。


女って損だってね。



その時、母が


こんな話があるんだよ」って聞かされた話し。



 

 むかしむかし、男の神様と女の神様が居た。

 

 そして、ある時、女の神様が日本を作ろうって男の神様に提案。

 

 でも、その時、生まれたはぐちゃぐちゃで形を成さないものだった。

 

 でね。男の神様が、じゃあ、今度は僕が声を掛けてから作ろうって話になり。

 

 で、出来たのが日本。

 

  


で、母の結論。


「何だか判んないけれど、どうも、男の人を前に出しておいた方がうまく行くよっ」





おいおいって思うけれどね。



なんとなく、納得しちゃって大人になったんです、ワタシ。



その後、ちょっと、古事記や日本書紀をかじったりしたら、


ああ、あの時の母の話しって思い出します。



まっ、何だかかんだか。


いい加減っていうか、曖昧さっていうか。


日本のこんな伝承って悪くないなあと、


ワタシも母に同意して今に至ります。







おしまい。