壊れた世界の地面はすすだらけ | 瑠璃色の日々

瑠璃色の日々

羅陽の頭の中がダダ漏れる空間


恋愛は世界を盛り上げない

洋楽史を習った時に先生がそう言った。
恋愛感情を歌う曲は世界を変えない。

先生が教えてくれた世界を震わせた曲は確かに恋愛要素が無かった気がする。
英語が苦手だから、絶対そうだとは言えないけれど。

あたしの中には音楽がたくさん流れていて、作りたい曲がいっぱいあって、まだ繋がらないフレーズが溢れてきてたのを覚えてる。

楽しかった。

ある日、音を忘れてしまった。
初めて彼氏が出来た時でした。

あたしはバランスが取れなくて恋人の事で頭がいっぱいになってしまった。
曲が書けなくて驚いた。
詞が浮かばなくて焦った。

バンドを組もうと言う話は、流れた。
何を練習したらいいのか分からなくなった。

恋人がいなくなった。
急にいなくなった。
ギターを触らなくなった。
毎日何となくぼーっと過ごすだけになった。

これは2年前の事。

あたしは間違えてしまった。
もっといっぱい勉強して、感情を形に出来るようになってからそれに手を出すべきだった。

彼と出会う前の気持ちが無くなってしまった。
消えてしまった。
思い出すことが出来ない。

あたしの音、どこに行っちゃったのかな…
ギターに触る時間もとても減ってしまった。

あたしが悪いのは分かってる。
恋愛感情のせいにしたって、その感情はあたしのものだから結局あたしが悪い。

特別に好きな誰かは、いてはいけない。
それは支えになるけど弱点にもなる。

でももう戻れない、思い出せない、分からない、消えてしまったから。

今からまた音が聞こえる事はあるのだろうか?
繋がらないフレーズが溢れてくる事は…

今、ギターを弾いても楽しくない。
それが1番の問題。

恋愛は…恋愛感情は世界を盛り上げない

そうじゃなくて、あたしの場合は恋愛感情が世界を燃やして焼け野原にしてしまったんだと思う。
地面まで黒こげになるくらいの大火事。
焼けきってしまったから、今、何もない。
何かがまた出来かけてたかも知れないのにこの前また焼いてしまった。

あたしは何になりたいんだろう。

恋愛感情を初めに生んだ彼に、出会わなければ良かった。
そんなのあたしのわがままだ。

全部はあたしが悪い。