◎七五三参り
十一月十五日に、数え年三歳の男女児、五歳の男児、七歳の女児が晴れ着を着て、家族そろって神社へお参りし、子どもの成長を神様に感謝し、これからの無事を祈る行事を「七五三」といいます。近年では十一月十五日にこだわらず、その前後の週末に多く参拝しています。七・五・三それぞれの節目には、それぞれ異なる由来があります。三歳という節目には、短かった頭髪を伸ばしはじめる髪置(かみおき)という儀式が行われました。なお、公家では二歳に行ったようです。五歳は男子が初めて袴を着用する袴着(はかまぎ)が、七歳では帯解(おびとき)といって女子が初めて帯を巻く儀式が行われました。今の様に着飾って華やかにお祝いする風習は、江戸時代以降、あるいは近代以降都市部で広まったようです。神社への参詣もこの頃から広まりました。生まれて初めてのお宮参りによって氏神の氏子となるといわれますが、七歳に神社へお参りし、改めて氏子入りをする地域もありました。「七つまでは神のうち」という言葉があるように、七歳のお祝いは幼年期を終え社会生活に入る節目とされていました。
【参考文献】
高沢信一郎「七五三詣」(安津素彦・梅田義彦監修『神道辞典』堀書店、昭和四十三年)
坪井洋文「しち・ご・さんいはひ」(國學院大學日本文化研究所編『神道要語集 祭祀篇二』神道文化会、昭和五十一年)
石井研士「七五三」(福田アジオ、湯川洋司、中込睦子、新谷尚紀、神田より子、渡邊欣雄編『日本民俗大辞典』上、吉川弘文館、平成十一年)
平山敏治郎「七五三」(薗田稔・橋本政宣編『神道史大辞典』吉川弘文館、平成十六年)
神社本庁教学研究室監修『神道いろは―神社とまつりの基礎知識―』(神社新報社、平成十六年)