◎神職の名称
神様にお仕えするため、神社で神事に従い、また神社を運営する人を、一般的に神職と呼びます(神主とも言います)。神社の総責任者として宮司が、その下に禰宜・権禰宜が置かれます。また、それぞれの神社独自の職も置かれている場合もあります。神宮では宮司ではなく大宮司、少宮司という職が置かれています。また、神宮では特別な職として祭主がおかれ、明治八年以降は皇族が任じられています。熱田神宮、橿原神宮、明治神宮、靖国神宮などでは、宮司の下に権宮司が、出雲大社では宮司の下に教統、権宮司が置かれています。他にも、住吉大社では権宮司と禰宜の間に正禰宜が、神宮や熱田神宮では権禰宜の下に宮掌が置かれています。他に一部の神社には権禰宜の下に、主典という役職も置かれています。神官という名称もありますが、戦前の法律では特に神宮の祭主・大宮司・少宮司・禰宜・権禰宜・宮掌の総称として使われていたものでした。
【参考文献】
西牟田崇生「神主」「宮司」「神官」「神社祠職」「禰宜」、藤守馨「祭主」、阪本是丸「神職」(國學院大學日本文化研究所編『神道事典』弘文堂、平成六年)
佐野和史「神職」、井澤正裕「神職職制」「神職任用令」(薗田稔・橋本政宣編『神道史大辞典』吉川弘文館、平成十六年)
神社本庁教学研究室監修『神道いろは―神社とまつりの基礎知識―』(神社新報社、平成一六年)
*方言ではさらに様々な名称があります。
我がふるさと讃岐では「おたいさん」(←おたゆうさん *太夫から)
伊勢では「ねぎさん」(宮司であっても権禰宜であっても「ねぎさん」)