神鏡(しんきょう) | laphroaig-10さんのブログ

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◎神鏡(しんきょう)

鏡は光を反射させ、どの様なものでも映しだします。それ故に、神秘的な力を持つ物としてあつかわれます。『古事記』(こじき)や『日本書紀』(にほんしょき)では、天照大神(あまてらすおおかみ)が天の岩戸にこもられ世の中が暗やみになった時、石凝姥命(いしこりどめのみこと)がつくった鏡を榊に懸けて天照大神が出られることを願ったとあります。また、天照大神は孫神瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)にこの鏡を渡し、自らの代わりにおまつりせよと命じました。その鏡がいまも神宮におまつりされる八咫鏡(やたのかがみ)です。一般の神社でも、御神体(ごしんたい)としておまつりする例が多数見られます。その場合、神鏡を錦(にしき)など高級な布や、角材を糸で組み上げた柳筥(やないばこ)、麻などでできた帷子(かたびら)とよばれる織物、唐櫃(からびつ)などで何重にもおおわれ厳重に扱われます。

【参考文献】
原田敏明「鏡の文化史 日本」(「鏡」『世界大百科事典』平凡社、昭和六十三年)
西牟田崇生「神棚の祭祀」(西牟田崇生編著『家庭の祭祀事典』国書刊行会、平成十七年)
谷省吾「鏡」(『祭祀と思想―神道の祈り―』国書刊行会、昭和六十年)
岡田芳幸「鏡」(國學院大學日本文化研究所編『神道事典』弘文堂、平成六年)