南方熊楠(みなかたくまぐす)と鎮守の森 | laphroaig-10さんのブログ

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◎南方熊楠(みなかたくまぐす)と鎮守の森



南方熊楠は、日本民俗学の創始者の一人にして、生物学者であり博覧強記で知られました。慶応三年(一八六七)和歌山に生まれ、東京大学予備門などを退学した後、アメリカ・イギリスに渡りました。大英博物館などへの出入りを許され、依頼を受け調査をしたり、雑誌『ネイチャー』等にも論文を載せました。帰国後、和歌山で菌類や民俗の研究を行いました。昭和四年(一九二九)には、和歌山県田辺市にこられた昭和天皇にご進講を行い、昭和十六年(一九四一)に亡くなりました。代表的著作に『南方閑話』『十二支考』があります。


明治末年には国は神社の基盤を強化するために、小規模の神社を統廃合しました。これを神社合祀といいます。これにより多くの神社が失われ、神社が有していた森の豊かな自然までが損なわれることを熊楠は恐れました。それゆえ、自然や社会への影響を論じ、民俗学者柳田國男や国会議員中村啓次郎らとともに反対したことでも有名です。


【参考文献】

南方熊楠「南方二書」「神社合祀に関する意見」(『南方熊楠全集』第七巻、平凡社、昭和四十六年)、「山男について、神社合祀反対の開始、その他」「神社合祀反対運動の終結、その他」(『南方熊楠全集』第八巻、平凡社、昭和四十七年)

櫻井治男『甦るムラの神々』(大明堂、平成四年)

神坂次郎編著『新潮日本文学アルバム58南方熊楠』(新潮社、平成七年)

飯倉照平『ミネルヴァ日本評伝選南方熊楠』(ミネルヴァ書房、平成十八年)

中瀬喜陽・長谷川興蔵編『南方熊楠アルバム《新装版》』(八坂書房、平成二十一年)