「棟木」への祈り:室寿詞(むろほぎのことば) | laphroaig-10さんのブログ

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『日本書紀』顕宗天皇即位前紀に次のような詞があります。「室寿」(むろほぎ)の詞です。


建物の構造物にことよせて、その家の主の弥栄を祈っています。「棟木」は「御心をもてはやすもの」とされています。古代日本人の「棟木」に寄せる祈りがうかがえます。



築き立つる稚室葛根(わかむろかづね)、築き立つる柱は、此の家長(いへのきみ)の御心の鎮(しづまり)なり。
取り挙ぐる棟梁(むねうつはり)は、此の家長の御心の林なり。
取り置ける椽橑(はへき)は、此の家長の御心の斉(ととのほり)なり。
取り置ける蘆萑(えつり)は、此の家長の御心の平(たひらか)なるなり。
取り結へる 縄葛(つなかづら)は、此の家長の 御寿(みいのち)の堅(かたまり)なり。
取り葺ける 草葉(かや)は、此の家長の 御富(みとみ)の余(あまり)なり。