◎斎服
物忌のときや神事に着用する装束。代表的なものに天皇が大嘗祭の小忌の湯をつかった後に着用する白絹の闕腋入襴の帛御袍や御祭(斎)服、臣下が着用する青摺袍がある。
『延喜式』四時祭には「斎服料」として「物忌一人料。夾纈帛三丈五尺。羅帯一条。紫糸四両。」(春日祭)などと見える。
江戸時代の『装束集成』には「当代装束抄云、斎服、神事之時着之、式は斎服の上に千早を着するなり、是は式法の時なり、千早は織物也、大形赤地錦、又色は不定、……吉田にも生の斎服を着するなり、地下は布の斎服を着するなり」とある。
明治二十七年の勅令「神官神職服制」に正服(衣冠)、略服(狩衣)とともに斎服が規定さ、大正元年の勅令「神官神職服制」、大正二年の内務省令「神官神職服装規則」を経て、昭和二十一年の神社本庁「神職の祭祀服装に関する規程」でも斎服は礼装とされ、中祭に用いられる。
神社本庁の現行規程では男子は、黒羅遠文の冠、白絹の縫腋袍・単・差袴であり、女子は、釵子(日蔭糸白)、白絹の表着・単・切袴である。