皇學館大學精華寮寮母棟建設工事地鎮祭祝詞(平成十一年三月六日) | laphroaig-10さんのブログ

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今は昔、精華寮の寮母室、地下にありき。地下には洗濯場、食品庫、散髪室(すでに使用せず)もありて、不気味な場所なりき。北寮出来てより後、寮母室は一階に設けられしも、南寮を取り壊すこととなりて、北寮の脇にプレハブの寮母棟を建つることはなりぬ。故作りたる祝詞なり。




  皇學館大學文学部精華寮寮母棟建設工事地鎮祭祝詞




此の処を厳の斎場と祓ひ清めて、注連縄引廻し神籬刺立て招奉り坐奉る掛まくも畏き天照大御神・大地主大神の大前に、斎主皇學館大學助教授本澤雅史恐み恐みも白さく、




神風の伊勢の国、若草萌ゆる倉田山に聳え立つ皇學館大學精華寮はしも、昭和三十八年に設けらえしより以来、四方の国より数多の学生い寄り集ひ、皇大御神等の高き尊き恩頼を蒙り奉りて、寮規の随に共に暮らしつつ、世の喧騒を余所にして学びの業に勤しみ励み、学舎の要と年毎に立栄えつつ在れど、今ゆ将来南の館は揺り来む地震に耐え難く住むこと能はざれば、今度此処を吉処の甘し処と選び定めて寮母の住居を建て設けむと、伊藤工務店に事負はせて工事起こし始むる事とは成りぬ。




故八十日日は有れども今日の生日の足日に、古き例の随に大地を天津菅曽の清々しく祓清め、忌鎌以て荒草刈払ひ忌鍬以て土引き均し、鎮物を斎ひ鎮めて地鎮祭仕奉らくと、大前に御食御酒種々の味物を献奉り、皇學館大學事務局長廣瀬義弘、文学部長林武美、伊藤工務店社長中村哲也を始めて、関係ふ諸人等参列みて太玉串の執々に拝み奉る状を、平けく安けく諾ひ聞食して、




此の処は、雨降り風吹くとも動き傾くこと無く地震揺り水溢るとも崩え損ふ事無く敷き均す土の弥平らかに曳き据うる礎の弥固らかに堅磐に常磐に守り恵み幸はへ給ひ、また此の工事に関係はれる諸人らに手の躓足の躓諸の禍事無く、工匠らが打墨縄の一筋に、撓む事無く怠る事無く恪しみ励ましめ給ひ、万事予ての設計の随に落つる事無く漏るる事無く、厳しく美しく竣功しめ給へと、恐み恐みも白す。