
それは何処かと言うと・・・・・・

「御園座」です

そうです



「六月大歌舞伎」と銘打って、市川團十郎&海老蔵の
親子共演なんです

本当は夜の部の「石川五右衛門」が観たかったの
ですが、予定が合わずに昼の部に行って
きました~~

「石川五右衛門」は人気漫画「金田一少年の事件簿」
などの原作者・樹林伸が原案を書き、3年前の
東京・新橋演舞場での公演以来の再演ってコトで、
歌舞伎ファン垂涎の舞台らしいのです

しかし昼の部の「夏祭浪花鑑」も名古屋
初お目見えの演目らしいです


また二つ目の演目の「素襖落」は成田屋(=市川家)の
お家芸・新歌舞伎十八番の一つで、狂言を元にした
喜劇


「夏祭浪花鑑」は海老蔵、「素襖落」は團十郎と
別々の演目を演じるので親子共演は残念ながら
観えません

しかし人気の海老蔵が観えるので、
良しとしましょう

入場してからパンフレットを買い、
音声ガイドイヤホンを借りて、
いよいよ上演です

まず始めに、海老蔵の「夏祭浪花鑑」です


お話のあらすじを説明しますと・・・
大阪の岸和田“だんじり祭”が物語の舞台で、
魚屋を営みながら義侠心が強いこともあって
任侠(=ヤクザ)との繋がりも深い団七(海老蔵)が、
恩人である人の息子とその恋人を守るために
罪を犯して投獄されたり、追手から守ったりで
奔走します

最後は孤児だった自分を拾ってくれたゴロツキの
義平次との小競り合いから、義平次に雪駄で
額を割られてカッとなった団七が、争ううちに
義平次を刀で切ってしまいます

「親殺し~」と叫ぶ義平次を黙らせるために
とうとう本当に惨殺してしまい、だんじり祭の
御輿担ぎに紛れて逃げていく・・・

序盤は笑える演出も多いですが、
終盤は「殺し場」という人を殺して
しまうお芝居で、思いもしないお話の
展開に観入ってました

見どころは中盤でお梶という女性が
男勝りの心意気を見せる「三婦内の場」と、
終盤の殺し場で13回程の見得を切る見せ場の
「長町裏の場」が僕的には良かったです

残酷なので絵で紹介→

また歌舞伎特有の動作で寄り目にへの字口で
ポーズを決める「見得を切る」という言葉は、
日常で使うと、
“自分を誇示するような態度・言動をする”
という意味になります。

→この顔です

みなさんもこの顔で他人に見得を切ったら
いかがですか~(笑)
話は戻りまして、またこの演目は“夏”という
言葉が付くように、夏に見せる歌舞伎としての
演出があるんですよ~~

それは「長町裏の場」の場面で池に
足を踏み入れて、義平次の遺体を沈めて
上がってくると足元が泥まみれになってる
「本泥」、それを古井戸から汲み上げた
本物の水で洗い流す「本水」です

昔は空調設備がなかった芝居小屋で、
少しでもお客様に涼を感じてもらうために
行われた演出のようです

海老蔵は身体に3回程水をかけた後、
最後は頭から思いっきり桶で水を
被っていました~~

この演出には会場がすごく沸き、
「よっ、成田屋(リタヤッ)

と掛け声(隠語で“大向う”とも言う)が
飛び交っていました

豆知識として掛け声は主に“掛け声の会”
(=劇場から料金を払わず来れる許可証
を渡されている)に所属してる方々が
掛けることが多いが、一般の人も掛けて
OKみたいです。
ただ歌舞伎独特の間を知っていないと
掛けてはいけないところで掛けてしまい、
芝居自体を台無しにしてしまう恐れが
あるために、大概はプロの方々のみが
掛けています

劇場に入ると一番後ろの席に座ってる
方々が“掛け声の会”の人です。
一階席の前の方(一等席・二等席・特別席)
の方々が掛けるのはNGのようです

何故かというと前の方で盛り上がって
しまっては、後ろの見物客が退け者に
なってしまうからみたいです。
また残念ながら、決まりとして女性の方は
掛け声NGです

通な方々は團十郎は「大成田」、
海老蔵は「若成田」と呼ぶそうです

理由は説明しなくても分かりますよね・・・
次の演目は團十郎の「素襖落」です


あらすじは・・・
主人の大名の遣いで、その伯父宅を
訪れた太郎冠者(團十郎)は、美しい
姫御寮に酒を振舞われ、互いに一差し
舞うなどして楽しく過ごしたうえ、
餞別に素襖までもらい上機嫌に
千鳥足で帰宅する。
ケチな主人に素襖を取られないように
隠そうとするが、舞を踊らされているときに
うっかり落してしまい、主人と太刀持鈍太郎に
隠され、からかわれます。
最後は三つ巴の素襖奪い合い合戦へ・・・

ちなみに「素襖」を現代の解釈にすると、
“一張羅の良いジャケット”と言った
ところでしょうか

まぁ~小学生時代からよく目にする光景
ですよね~~(笑)
特に兄弟で新しく買ってもらったオモチャなどで
みなさんも同じようなことをした・された経験が
あるのでは

このお芝居の見どころは「松羽目物」という
狂言・能由来の演出方法が取られてる演目という
ことです

こんな感じ・・・

セットが変わらないので、演者の動作や位置で
場面設定が変わってるように演じなくてはならない
のです

最初は見慣れない感じでしたが、
お芝居に入り込めば込むほどに周りの
情景も想像できるようになってきました

團十郎さんが若い人物を演じてるのには
ビックリしました・・・

さすが当代の色男、おそれいりました~

色男と言えば息子もやっぱり色男なので、
初日のお芝居は色っぽい着物姿の麗嬢の
お姿がいっぱいでした

奥さんの麻央ちゃんも着物姿でお見送りしてて、
すごく似合っててキレイでしたよ~~

ではでは、最後は“海老さま”のお顔で
お別れです・・・

あっしまった、これは“ABさま”でしたね~~

ついついうっかり・・・
ではでは本物でお別れです・・・

PS. お土産にこんなの買いました

その名も・・・

自分へのお土産はコチラ・・・

ちなみに真ん中の海老の絵を買いました

御園座が来年で無くなるそうで残念です・・・

これからもっと歌舞伎を観に行きたかったな~~

閉館の前の3月には、
「三月大歌舞伎~市川亀治郎改め
四代目市川猿之助襲名披露」
が予定されてるそうです

今話題の“香川照之改め九代目・市川中車”が
観られることと思います

でも疑問があって市川猿之助(猿翁)が始めた
「スーパー歌舞伎」は空中を舞う“宙乗り”など
派手な演出が多いことから、今までは御園座が
断っていたので中日劇場で上演してました。
でも今回の海老蔵の夜の部「石川五右衛門」にも
“宙乗り”の演出が使われています。
ってことは最後だから御園座で「スーパー歌舞伎」を
上演するってことなのかな~~

PLUSは最後まで御園座を応援しています

→勝手に
