このブログは「箱庭の灯」武道館公演感想ブログのpart2です。まだ読んでいない方は、ぜひpart1も読んでくれると嬉しいです。

前半:https://ameblo.jp/lap-kitarist/entry-12854766465.html

このブログは盛大にネタバレを含んでいます。セットリストも書いてあるので、今後箱庭の灯に行く方はご注意ください。

 

 

Setlist

-movie-

01.カルト 02.ホムンクルス 03.夜行バス 04.Véranda 05.初恋 06.誰も愛せない人

- movie-

07.クレイ 08.鯨の子 09.花筏

10.ロックスター 11.私小説 12.金星 13.ことほぎ 14.comedy 15.バースデイ

16.花瓶 17.箱庭の灯

en01.アンダルシア en02.生活の折に

 

 

Support Band Menbers

Bass 森夏彦

Keyboard and Band Master 奥野大樹

Guitar 馬場庫太郎

Drums 森瑞希

 

 

4. 「パーティー」はTeleの真骨頂の一つだ

「花筏」のあと、少し長い沈黙のあとに「ここからはパーティーだ」の声とともに「ロックスター」のイントロが流れた。ここを境にライブを2本見ているような感じでとても満足感が高かった。最近のTeleのワンマンライブを簡単に表現すると、「nai ma ze」は「綯交ぜ(ないまぜ)になって踊ろう」というコンセプトで、「祝/呪」は「期待の裏には呪いがあって、そこから吹っ切れよう」というメッセージがあったように思う。魅力なそれぞれ違うので、過去のライブで例えるのは違う気もするが、無理やり表現すると、前半は「祝/呪」的で後半は「nai ma ze」的なのかなと思う。「箱庭の灯」はTeleの軌跡を思い出すようなライブなんだなと実感したし、Teleの魅力は1つではなく多面的であることを再認識した。

 

さて、話題を楽曲に戻そう。「ロックスター」は「nai ma ze」にはじまり、多くのライブの1曲目として歌われてきた。パーティーの起爆剤としてはもってこいの一曲だ。喜多朗は凸凹のステージと、前にある平坦な部分も使いながら、ステージ全体を駆け巡っていた。10,000人による「Ah ロックスター」はTeleの雄姿を引き立てていた。ライブは一方通行ではなく、観客側から愛を伝える機会でもある。「とっくに、お前はさ、僕にとって奇跡なんだ」のでっかい矢印が、客席からステージに向かっていた。

 

「フェスでおなじみの流れだけど、ワンマンライブは違うってところを見せてくれ」と宣言して始まった「私小説」は飛び跳ねるのには格好な曲だ。10,000人となると手拍子の大きさも段違いだ。この曲で一番盛り上がるアウトロのジャンプの煽りで喜多朗はこう綴った。「ここに集まった10,000人弱の皆様。一緒に出禁になりましょう!!」彼特有の「捻った」煽りは全ファンの心に浸透し、武道館自体が飛び跳ねているかのように、みんなでジャンプした。スタンド席からは絶景が広がっている。(どうやら武道館はジャンプ禁止らしい?)出禁になっても、Teleにはもっとでかい、数万人のステージが似合うから大丈夫。

この後も、「金星」「ことほぎ」「comedy」「バースデイ」とフェスでも定番の曲が続いた。Teleの盛り上がり曲といったらこの辺の曲たちだ。「金星」は冒頭のギターフレーズが魅力の曲だ。いつもは真横でギターのサポートメンバー向き合って演奏しているが、武道館では庫太郎さんが後方にいて新鮮だった。つぎの「ことほぎ」の始まりに「拝啓、僕らきっと~」のフレーズを歌うという珍しい始まり方をしていた。最後、みんなで歌うから最初に一回演奏するっていう優しさを感じた。アウトロのアレンジが、次の曲に向けてボルテージを上げていく感じで素晴らしかった。「comedy」はTeleの中でも最強の盛り上がり曲だと思う。初めてのワンマンライブ「東京宣言」ではこの曲で一気にボルテージが上がったのを思い出した。「ベタなバナナも悪くない!!」の叫びが響いたと思う。アウトロのアレンジはのボルテージは最強で、その盛り上がりを引き継いで次の「バースデイ」が始まった。「僕らに明日などないんだぜ。今すぐ何かを変えようぜ。」という覚悟を書いた歌詞が「聖地」武道館に浸透していたと思う。喜多朗の伝説をサポートするだけでなく、素晴らしい演奏で観客を虜にしているサポートメンバーたちの紹介は、「バースデイ」のアウトロの定番だか、どのライブでもテンションは最高潮に達する。武道館での彼らの雄姿は、「音」という形で燦然と輝いていた。

 

「バースデイ」の圧巻の楽器隊紹介の後、MCを始めた。これまでのライブを振り返ってみると、コロナ禍に駆け出したバンドだからか、TeleのMCでは「声だし」について語る場面が多い。「ライブの楽しみ方は人それぞれだけど、この一瞬はみんなの声を聴きたい」という喜多朗の思いを語ったときは「花瓶」が始まる合図だ。「僕はこれからも音楽を続けていこうと思う。少なくとも、自分の声が届かない大きさのステージに立つまでは。」とマイクを通さずに良く通る地声で宣言する彼の雄姿を僕は一生涯忘れることはないだろう。その瞬間、1万人の観衆の心に彼の魂が乗り移ったと思う。花瓶の特徴的なイントロを歌う喜多朗の地声が武道館に響いていたあの時の雰囲気は、何にも例えがたいが、ミュージカルスターの魂からの叫びといったところかと思う。それに呼応した1万人での「花瓶」の合唱は、あの場にいる全ての瞳に潤いを与えていた。それは、喜多朗も例外じゃないようだった。「This is our song! これで武道館にいるみんなの曲になりました。」は一切大げさではない、1万人が1つになる瞬間だった。そのあと、楽しそうにステージを飛び回る喜多朗の姿は、彼が音楽を続けてくれることを確信させてくれるし、彼は本当にロックスターだと思う。

 

次のpart3では、「伝説・箱庭の灯」について語ろうと思う。それでは今回はここまでで。