【棒推手講座とゼロインチ発勁】

ごきげんよう。
揚げ餅は塩味の方が好き、館長の老孔龍です。


2022年5月3日に松戸運動公園にて開催しました。

後記やレポートみたいなものを書くつもりがなかったのて写真などはありませんが、書いてみようと思いたちました。


新型コロナウイルスに配慮したとはいえ、[棒推手]というマニアックな内容なので、

『集まったとしても数人だろうな』

とおもってましたが、
他門の太極拳家の方
剣術家の方
が参加してくれました。

マニアックな募集故、
『参加してくれた方たちには門外秘と言わずにちゃんと発勁システムを開示しよう』
とおもってました。

参加してくださった方々には大変感謝しております。


今回の講座のテーマは
〖引進勁(いんしんけい)〗
でした。

楊式太極拳では基本となるものです(基本勁とは別のものです)。
楊式太極拳の技は原則的に引進を使って行います。

お互いに120cm程の丸木の棒を持って向き合います。
先端から4分の1くらいの所で交差接触させて、
片方の人が棒で突くと、もう片方の人が棒を引いて突きをそらす
という事を続けていきます。

引(いん)と進(しん)の動作を繰り返していきます。

剣術家の方は、武術の下地があるうえにご本人の才能なのでしょう、初めての中国武術であるにもかかわらず かなりのレベルでこなしていきます。

特筆すべきは 他門の太極拳家の方です。
技の説明すると次の瞬間にはもうマスターしている・・・
驚きを禁じえませんでした。

そんな講座中におもった事。

『地味な稽古やな』笑

普段 稽古をしていてもそんな事はおもわないけど、いざそれだけを指導してみると、地味さ加減を痛感します笑

それでも剣術家の方は
「すごく面白いです!」
と言ってくれてました。

こういう 地味な基本稽古を面白いと感じられるというのは、武術家としての素質なのかもしれませんね。

それと、「すごく脳が疲れる」とも仰ってました。

[氣をかける]という事を 私なりに分かりやすく噛み砕いてお伝えしましたが、剣術では普段あまりしない事なので、その様に感じられたのかもしれませんね。

その後 技の段階を幾つもふんで、太極拳家の方と引進勁をつかっての棒推手を行った時に
凄い事がおきました。


〖お互いに突いたり いなしたりしているが、棒同士の接触点が動かない!!〗


まるで棒同士がくっついてしまっているかの様です。

実はこの現象は、
お互いの技術レベルや勁のレベルなどが かなり高くないとおこらないんです。

太極拳家の方の功夫レベルの高さに舌を巻く思いでした。

引進を幾つもの段階に分けて講座をすすめましたが、実はこれそのもので発勁のシステムの一つという側面をもってます。

なので、最後に
受ける人に木の板をお腹に当てて持ってもらい、そこに棒の先を付け、そのまま引進勁で発勁する
という事をしてみました。
(棒はまったく引かずに板に接触した状態から発します)

昨今、寸勁やワンインチパンチなどの話題を目にすることが多いので、

[相手にピタッとくっついてから発する]

という楊式太極拳の打ち方を体験していただきました。

言うなればゼロインチ発勁ですね笑

あ、もちろん楊式太極拳には遠くから打つ打ち方もありますよ。


この日の講座内容は 引進(いんしん)という技術を磨いていくと、その結果として発勁のシステムにもなっている
ということをお伝えして、講座を終了しました。

あらためて、参加してくださった方々に感謝致します。
ありがとうございました。


●反省点
・今回は、武術レベルの高い人ばかりが参加してくれたので こなしてくれたけど、内容が多すぎた。
・何よりも講座のタイトルからしてマニアック過ぎる。
・内容が地味なので、もう少し変化をもたせる。
・あと、いつものことなのだけど、わたしはしゃべりすぎ笑