全てが影の中にある広い部屋
床に黄緑に光り輝く虫が立っていた
ウスバカゲロウのような透明な羽を持ち
迷宮のように入り組んだ躯
紋章のようにも見えるそれは何か言いたげでもあった
これはめずらしいとカメラを取り出すとそれは上方へ飛び立ち
くるくると天井を舞い壁の空調ファンに吸い込まれた
ファンに見えたが換気扇はなく人一人入れるほどの縦長の壁穴に
内外からスリット付きの蓋を取り付けた小部屋のようなものだった
そこには年老いた神が住んでいた
杖を抱え蹲っていた
私にはそれが壁掛け時計のように見えた
床に黄緑に光り輝く虫が立っていた
ウスバカゲロウのような透明な羽を持ち
迷宮のように入り組んだ躯
紋章のようにも見えるそれは何か言いたげでもあった
これはめずらしいとカメラを取り出すとそれは上方へ飛び立ち
くるくると天井を舞い壁の空調ファンに吸い込まれた
ファンに見えたが換気扇はなく人一人入れるほどの縦長の壁穴に
内外からスリット付きの蓋を取り付けた小部屋のようなものだった
そこには年老いた神が住んでいた
杖を抱え蹲っていた
私にはそれが壁掛け時計のように見えた
