家の前の雑木が
大きく生い茂ってしまって
うちに圧迫感を与えてる。
この地に住み始めて50年。
たぶん私が子供の頃は
うちの庭より低い位置に
木のてっぺんがあったんじゃないかな。
日当たりが一番長い位置に置いている
物干し台に迫ってきていて
ここ2年ぐらい洗濯物の乾きが悪い
庭師さんに頼んで切ってもらうことにした。
高い梯子をかけて
シュルシュル木に登ると
ちゃんと命綱をつけ、
枝を切って行く。
私たちには日当たりを遮る
にっくき雑木に見えているので
「もっと元の枝から切っちゃってくださいよ」
と声を掛けたら
「うーん、あまり元から切ると
木が弱っちゃうから」
そして出来上がってみると
形よく仕上がってる
邪魔な木を切ったというより
庭木を剪定しました風
妹が
「これなら木も手を入れてもらえて
喜んでるんじゃないかしら」
と言ったら
「いやぁ…。木にしたら『あちゃー』だと思いますよ。
木は葉っぱが茂っている分、
それだけの水分を中に持ってるんですよ。
いきなりこれだけ減らされると、
その水分の行き場がなくなって
中で腐ってムロになる原因にもなりますしね。
これから葉が出る季節だから、
なんとか新しい葉を出して調整してくれると
いいんですけどね」
ゆうさん、
ぼそりぼそりと喋る。
それがまた庭師っぽい
いらないから切ってくれ
という注文でも
木を思って
切る枝も考えて選んでた。
木への愛が溢れてる