日比孝之『多角形と多面体』を読了。
高校生でも十分に理解できるようにという意図をもって書かれたものだが、高校生でも理解出来るのは前半部分だけで、第5章の「エルハート多項式の理論」あたりからは理解出来る層は限定され、第6章の「凸集合と凸多面体」からは高校生どころか大半の読者を置き去りにしていく。
その後に第7章と第8章で双対性と反射性が取り扱われるが、定理や補題について数式がどんどん展開されていくだけで、普通についていくのは不可能だと思う。
その道の専門家が書いたものなので、このあたりでも十分に初歩的と判断してことだとは思うし、実際に手に取るのは高校生ではないのかもしれないが、後半以降の読者を「置き去り」にした感じはいかんともしがたい。