ハーマン『思弁的実在論入門』 | (元)無気力東大院生の不労生活

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勤労意欲がなく、東京大学の大学院に逃げ込んだ無気力な人間の記録。
学費を捻出するために、不労所得を確保することに奮闘中。
でした。

 ハーマン『思弁的実在論入門』を読了。

 

 題名に魅かれて読んだが、まったくの期待外れ。
 断じて、思弁的実在論の入門ではない。
 著者は、思弁的実在論の端緒を切り拓いたオリジナルメンバーの四人のうちの一人であるハーマン。 そのハーマンの立場から、他の三名に対する批判と自身の立場の解説のようなもの。これが本書の内容。
 四名が同じ思弁的実在論に括られながら、実際には異なる主張を展開している以上、そのうちの一人が入門なるものを書いても、およそこうなることは見えていたとは言え、期待を大きく裏切るように、入門的要素は本書には皆無であった。
 本書の著者のハーマンによるものは言うに及ばず、その他の例えばメイヤス―らの著書も十分に読み込んだ上でなければ、本書を読んでもほとんど得るところはない。