ハーマン『思弁的実在論入門』を読了。
題名に魅かれて読んだが、まったくの期待外れ。
断じて、思弁的実在論の入門ではない。
著者は、思弁的実在論の端緒を切り拓いたオリジナルメンバーの四人のうちの一人であるハーマン。 そのハーマンの立場から、他の三名に対する批判と自身の立場の解説のようなもの。これが本書の内容。
四名が同じ思弁的実在論に括られながら、実際には異なる主張を展開している以上、そのうちの一人が入門なるものを書いても、およそこうなることは見えていたとは言え、期待を大きく裏切るように、入門的要素は本書には皆無であった。
本書の著者のハーマンによるものは言うに及ばず、その他の例えばメイヤス―らの著書も十分に読み込んだ上でなければ、本書を読んでもほとんど得るところはない。