那須耕介・橋本努(編著)『ナッジ!?: 自由でおせっかいなリバタリアン・パターナリズム』を読了。
ナッジにつきまとう「不信」や「不安」の正体を理論的に解明する試み。
そういう部分をナッジの提唱者のサンスティーンらは上手いこと避けて通っているふしがあるが、 本書での議論はそういう誤魔化しが通用しない。理論的に精緻に問題点を詰めていく。
だからと言って、ナッジを否定するというわけではなく、批判した上で、その活用の可能性が模索されている。
問題点を克服した上で、どのように活用していくべきなのか。特に規範的な観点からの検討が主となり、読みにくいところもあるが、広く読まれて欲しい書である。