池田嘉郎『ロシア革命――破局の8か月』を読了。
2月革命から10月革命までの8か月間。この間の臨時政府の苦闘を描く。
その後のトロツキーやレーニンを中心に描けば、臨時政府は打倒されるべき存在として表現されるわけで、実際、そういうものをこれまで読んできた気がするが、本書はそういうものとは趣を異にする。
8か月間、臨時政府も無為に過ごしたわけでもなく、多様な勢力のバランスを取りながら、苦心を続けていた。一人一人の登場人物の動きとともに、そのことが十分に伝わってくる好著である。
ロシア革命――破局の8か月 (岩波新書)
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