砂原庸介『大阪―大都市は国家を超えるか』を読了。
橋下市長ら大阪維新の会が掲げる大阪都構想。そのような構想が打ち出されるに至る背景を大阪の歴史を振り返りにながら、丁寧に解き明かした好著である。
ここで書かれている背景を知れば、橋下市長らの提案は必ずしも突飛なものではなく、むしろ、穏当なものにすら見えて来る。この背景を知らずに橋下市長らを批判しても、それがどこか的外れになることは間違いない。
大阪ゆえに抱える都市としての課題、そして、その他の大都市の課題。そこをきちんと分けて論じるべきであることを、あらためて再認識させられた。
橋下市長の突破力に陰りはみられるが、今後も大阪の動向は注視したい。
ここは、あらためて、国政からは離れて、大阪特有の課題に取り組むべきであろう。
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