河野哲也『意識は実在しない 心・知覚・自由』 | (元)無気力東大院生の不労生活

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勤労意欲がなく、東京大学の大学院に逃げ込んだ無気力な人間の記録。
学費を捻出するために、不労所得を確保することに奮闘中。
でした。

 河野哲也『意識は実在しない 心・知覚・自由』を読了。


 最近読んだフィヒテあたりとは、およそ相容れない議論をしている本ですが、個人的には、結構「しっくり」くる内容でした。

 端的に言えば、外部環境と心の相互作用を重視し、「拡張した心」に関する議論が展開されます。

 アフォーダンスの議論の使い方なども、なかなか面白い。


 この本を読むと、結局、再度ヒュームらの懐疑論を味わってみたくなるから不思議です。

 それだけ、この著者が言うように、私も近代哲学に毒されているのかもしれませんけどね。


意識は実在しない 心・知覚・自由 (講談社選書メチエ)/河野 哲也
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