よしもとばなな『なにもかも二倍』を読了。
2007年のよしもとの日記。
5月15日付の日記は、新しいビジネスの可能性、ひいては、日本のサービス業が目指すべき方向性を示唆しているようで、興味深かったです。
基本的には、それまでのよしもとの日記と、そう大きく変わらないと思いますが、以前よりも息子さんがゲロを吐く機会が増えたような気がします。子供って、そんなにゲロを吐く生き物なのですね、、、
この年は、海外旅行の話が多いのが特徴でしょう。
それにしても、飲食店などについて批判的なことがこの本でも沢山書かれていますが、そもそも、その程度のサービスの店なのに、敢えてそこに行って、サービスが悪かったと言って文句を言うのも考えものですけどね。もちろん、サービス料込の高い店で、悪いサービスだったら、厳しく批判されてしかるべきですし、実際、この本で取り上げられる店の中には、そういう店も多いようです。しかし、世の中、「安かろう悪かろう」ですよ。安い店に行って、サービスが悪いと言って文句を言われてもな~
それに、料理の内容についても批判的なことが数多く書かれていますが、口に合う合わないがあるわけで。著者が不味いと思っても、他の人が美味しく食べているものもあるのです。そういう想像力みたいなことが決定的に欠如しているように思えてならないし、その欠如ゆえに、無用な軋轢が多数生じているような気がしてなりません。
子供を可愛いと思う人と五月蠅いと思う人がいるのも同様。自身の子どもであれば気にならない奇声や行動でも、他人の子どもがすれば不快に思う人もいる。そういうことについて、もう少し想像を膨らまして欲しいと個人的には思いました。本当に、体調の悪い時に、電車などで子どもに近くで騒がれると、「このやろう」と思いますよ。著者自身、体調が悪いことが多いようだから、そういうことも分かると思うのですけどね。
まぁ、自分に良くしてくれない人は、結局、「敵」にしか見えないのかもしれないけど、、、、
ファンでなければ、「カチン」とくる記述も多い日記だと思います。
なにもかも二倍―yoshimotobanana.com〈2007〉 (新潮文庫)/よしもと ばなな
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