久繁哲之介『地域再生の罠』 | (元)無気力東大院生の不労生活

(元)無気力東大院生の不労生活

勤労意欲がなく、東京大学の大学院に逃げ込んだ無気力な人間の記録。
学費を捻出するために、不労所得を確保することに奮闘中。
でした。

 久繁哲之介『地域再生の罠』を読了。


 遅ればせながらの読了です。その界隈では、結構話題になった本ですが、話題になるのも頷ける内容でした。

 前半は、「本当は成功していない地域再生の事例を、別の地域が真似することで、失敗が再生産される」という事実を明快に指摘しています。

 後半は、著者なりの地域再生の処方箋が提示されます。


 前半と後半、両方とも、「なるほどな」と思わせる事例を的確に配置して説明しており、相当量のフィールドワークを著者がこなしてきたことが窺えます。


 「地域再生」だけではなく、いわゆるマーケティングの分野に関心がある人にも薦めたくなる好著と言えると思います。

 以前このブログでも紹介した『地域再生のヒント』には載っていない、でも、もっと有効なヒントがこの本には満載です(『地域再生のヒント』についてのエントリー )。



 でも、究極的な結論は、地域の事は、その地域で決める。これだけだと私は考えます。

 外から、学者やデベロッパー、コンサルやシンクタンクが、あれやこれや勝手なことを言うから、話がおかしくなるのです。そういう意味では、この著者の久繁氏の立場も微妙なところ。それは、自身の義母が営んでいた「甘党たむら」の例で、痛感されているとは思いますが、、、、


地域再生の罠 なぜ市民と地方は豊かになれないのか? (ちくま新書)/久繁 哲之介
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