わが横浜市の副市長について、3人に内々示が出されたそうですが、その顔ぶれを見て、「完全に市長はお飾りになり下がったのだな~」と思いました。
私自身は、前中田市長に対して批判的ですので、実際に御本人に対して、とあるイベントの席上で批判したこともありますが、それでも、副市長人事については、中田氏なりのカラーがありました。
長野県で田中知事の下で副知事をしたこともある阿部氏(現在は行政刷新会議入りしたはずです)。PFIの専門家だった野田氏。政経塾つながりの前田氏。議会に否決されましたが、前佐賀市長の木下氏を招聘しようとしたこともありました。
一方で、手堅く内部の局長を昇格させるなど、それなりにバランスを取ろうとしていたことも伺えます。
対して、林新市長は。
現職の局長である小松崎氏、元局長で横浜アリーナ副社長に「天下り」していた大場氏、そして経済産業省官僚の山田氏。
結局、今回提示されたのは3人とも役人。
もちろん、一人一人の能力に関しては問題ないのでしょう。それなりの役職まで上りつめた方々ですから、経験や知識もお持ちでしょう。
しかし、所詮は、役所という限られた空間における経験や知識です。
横浜市は副市長を4人置けるのですから、役所内部に詳しい人だけでなく、外部の力も活用すべきです。
そうでなければ、今回の林市長のように、民間企業から市長になった人は市の幹部の中で孤立するだけです。
このままでは、そう遠くない内に、林市長の預かり知らぬところで、副市長たちと職員が結託して、改革とは逆行するようなことでも平気で行われるようになるはずです。
(実際、行政に関する知識も経験もゼロに近い林氏が市長になって、楽になったとうそぶく職員もいますからね)
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こういうときにも、木下氏の本は示唆に富みます。