山村恒年[編]『新公共管理システムと行政法』を読了。
専門家以外、まず読むことはないであろう本でした。実際、定価が、、、、 普通は買えませんね(笑)
山村氏は弁護士さんで、判例の分析や条文の解説には冴えを見せますが、いわゆる行政学分野の記述は、ちょっと弱いかな~と感じました。そういう分野の記述は、いわゆる「研究ノート」レベルに留まっており、本という体裁を取る上では、若干の問題を含んでいると思います。
山村氏以外の論者は、それぞれの分野の研究者のようで、記述は専門的になりますが、その結果、全体の基本をなしている山村氏による巻頭の記述部分との関連がぼやけてしまっています。
個々の章を論文等で参考にするには非常に有用な本だと思いますが、この本を教科書的に利用することは出来ませんので、基本的には一部の専門家向けの本だという結論に至ります。
新公共管理とは、つまりNPMであり、この分野では、やはり大住先生の一連の著作が今でも参考になると思います。
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