場所は宮崎市民文化ホール。来てから気付いたが、どうやらここに来るのは三度目の模様。過去二回はもうどちらが先だったか覚えていないが、日南市吹の助っ人でコンクールに出た時と宮崎シティフィルの助っ人で乗った時。
でも全然道を忘れてた。途中で時間が足りないと気付いて、海沿いの道を捨てて高速道へ切り替えなかったら、演奏会が終わってから到着することになりかねなかった。
終演後、帰る前に一言ぶっちゃけた感想を呟いた。ただ、これだけじゃすごく感じの悪い人になってしまうので、ちゃんと残念と思った経緯を残して、すごく感じの悪い人でなく、すごく性格の悪い人になっておくべきだと思い書いている。
宮崎シティフィル定演。まともな感想はアンケートに書くとして、ってウェブアンケートがアクセスできませんな。ま、後回し。極端な感想としては指揮者が残念の一言に尽きる。とてもここでは書き切れないので久し振りにブログ書くかな。さて、日南志布志周りでぼちぼち帰りますかな。
— T, M (@ezezplayer) December 4, 2022
なので、これから書くのはかなり批判を含む文章になるが、もちろん個人に対する非難のつもりはなく、今回の強烈な印象を契機になぜそうなったのかということを考える材料となってもらうことにした。
いきなり書き殴っている状態で筋立ててもいなくて読み難いと思うが、とにかく記録として残してみる。
オープニングの英雄行進曲はよかった。特に最初が決まったのは鳥肌立った。その後も随所に決めどころが成立して、さすがしっかりしたオケだという印象を改めて持った。ただ、この事実が後の考察に大きく影響してくる。
英雄行進曲の途中で何かおかしいと気付き、ボロ2の始まりでわかった。何がかと言えば、テンポ感がおかしい。どうもオケのテンポ感が定まらない。実際には行進曲で見せたように高度にテンポキープしているのだが、そのテンポ自体に探りというか迷いというかが見える。
この辺りから指揮者の振り方が非常に気になってきた。
これはあくまで自分が演奏者となったらの話だが、非常にやりづらいだろうと思った点がいくつかあるが、特に気になったのが、指揮棒を振り上げた一番上で動きを溜めて、そこからいつ振り下ろすのか予測できないこと。
この影響で二つ困ったことが起きる。
一つはテンポが決まらない。テンポが決まるのは通常だと拍と拍の間の経過時間、結局は拍の長さだが、例外として指揮者がテンポ変更の予備拍を振ったときは、拍の長さが変化するわけなので、変更直前の予備拍の加速感で次のテンポを予測する。だが、上で止めてしまうとその加速感の情報が消えるわけなので予測のしようがない。
もう一つはいきなり振り下ろされても最良の発音のタイミングが掴めない。事前に準備をして決めどころを予測して音を発したいが、これでは決められない。
この辺りの感覚は野球の外野フライを捕球するのを想像してほしい。
打者が打った瞬間のボールの射角と速度から瞬時に落下地点を予測し、落下するまでに移動するから捕球が成功する。
打者の打つところを隠してやれば捕球者にとってかなりの難行になることが想像できると思う。
今回の指揮で行われたのはこの予測に関する情報隠しだと思っている。
巨匠とか言われる指揮者と超絶技巧オケの組み合わせならともかく、最低限オケが混乱しないやり方、今回で言えば予測を容易にする方向の振り方をすべきだっただろうと思う。
情報隠しで思い出したが、特に致命的だと思ったのがベト 3 二楽章のバイオリンが旋律を始めるところで、指揮者はバイオリンにがっつり向いてしかも指揮棒を低弦側から見せないかのように小さく振ったこと。
ただでさえ絡みが難しいのに基となるテンポを隠されて合うわけがないし、実際合わなかった。
指揮は全体を通してテンポをいじくり回して振り回しているのではなかったので、やはり、そもそも元々のテンポが把握させられなかったのが問題だと思った。
だから決めどころで決まらない。音自体もバランスも各々の表現も結構よかったと思うのに、決めどころが決まらないのが非常に残念だった。
非常にぶっちゃけたことを言ってしまうと、チェロトップのおねえさんの動きの方が余程指揮者らしかった。崩壊が予測されるところはヘッドバンキングでテンポを出して周囲に喝を入れていたように見えたが、たぶん見間違いではないと思う。
もう一点。
会の進行がほぼプログラムに書いてあった時間通りだった。ということは予め設定したテンポだったはず。
にも関わらず最後までテンポを探るような演奏になってしまっていたのは指揮者がオケにテンポを伝えきれていなかったと同時に、設定されたテンポについてオケが納得していなかったのではないかと思う。
完全に邪推だが、設定テンポはオケが思っているより早めだったのではないだろうか。
本番ではなんとか合わせていたが、どうもテンポ感が食い違っていて決めどころに至るタイミングを取りきれていなかったように思えた。
指揮者のリハを拝見していないので準備段階のことはなんとも言えないが、本番でできる重要なことの第一がテンポ出しなのに、これがずっこけたのが非常に残念だったと思った次第。
他、今回は指揮者の強烈さに食われてしまったが、オケの全体的なところについて。
弦楽器がパート毎にしっかりまとまって動けていた。一糸乱れずとまでは言わないが十分以上。この堅実さと安定感は心地良い。
だから指揮者の無茶振りに対してトップが自分のパートの事はある程度付いてくるに任せて他のパートとのやり取りに頭を回しやすかったのではないか。
管楽器もまず皆音がよかったし、旋律が誰に回ってもきれいに流れてくるところがさすが。その中でも特にオーボエがブラボー。ピアノで針を差すような感じを決めてくるところが非常によかった。
そう言えばベト3三楽章トリオ、ホルンのみなさま大変おつかれさまでした。特に2番は発音が間に合わなかったんじゃないかな。聴こえてこなかったし。
打楽器はあの状況で強引にでも決めどころを作るタフさに感心した。
雑感レベルで書き散らしてしまったが、生オケを聴くのは何年かぶりなので聴きに行ってよかったと思う。決してつまらない演奏会だったわけじゃない。普通以上のことをしていた。ただテンポ感が狂うだけでここまで残念になることを考えさせられたのが逆にまたとない収穫になったな、と。
