またまた前後しますが、900SSからビモータに乗り換えようとしたきっかけも、やはり雑誌の記事でした。
ライダースクラブの94年5月号に載っていた、SB6がそれです。
それまで「ビモータ」って単なる憧れでした。
まだフクイやカロッツェリアが輸入元だったころ、たいていのビモータは300万~400万ぐらいしていました。なんでもヤマハなどからエンジン単体ではなく車体をまるごと買って、エンジンなどだけをオリジナルフレームに搭載したらしいので割高になったとか・・・
そんなビモータでしたが、いつしかレッドバロンが輸入元となってからは価格が良心的となり、このSB6も219万と、以前を知る者としては良心的な?価格となりました。
このSB6は最初94年型を購入したんですが、その時、レッドバロンで「このカラーリングは95年型にはないんですよね?」と念押ししたにもかかわらず、その1週間後に同じカラーリングの95モデルが同じ店に展示してあった、ということがあって、岡崎の本部に文句を言って95年型に無償交換してもらった経緯があります。
細かいことですが、94と95ではミラーステーやメーター、エンジンマウント、など細かい部分の熟成が95ではなされていました。
SB6はスズキGSX-R1100のエンジンを搭載したマシンでしたが、今でこそ190キロの車重に156PSなんてスーパースポーツ系のバイクのスペックとしてはごくフツーですが、ベース車のGSX-R1100に比べるとパワーはほぼ同等ながら重さは40キロ以上軽く、ホイールベースも400cc並みというハイスペックマシンでした。
またデザインもカラーリングもとても良く、今でも私のお気に入りデザイン3つのうちの1つに入ります(ちなみに残り2つは916系とF4)。
パワーも申し分なく、トルキーなエンジンで、このテのバイクにしては異様に足つき性が良いほど重心も低く、とかくハイアップマフラーは916が元祖と思われがちですが、マフラーの取り回しなどはSB6も元祖と言っていいと思います。パーツ1つひとつの仕上げも美しく、フレームなんか機能美の極致です。
その一方でカウルがタンク~リアシート、左右の計2枚しかない、つまり左右のカウルは1枚のカウルなのでオイル交換をするにも1人では到底できません(カウルを外すのに前後どちらかのホイールを抜かないといけないので)。また元がGSX-R1100の5速なので基本的にはワインディングを攻めると言うよりは高速クルージングタイプのバイクです。パーツも美しさの反面、目ん玉が飛び出るような値段ですし、ドカと違ってもういじるところがない完璧さ・・・ 味という点ではドゥカティには及ばず、使い切れない性能よりは使い切れて軽くてコンパクトな味のあるドゥカティへの回帰となったのでした。