三重と奈良の県境にある、
日本三大渓谷のひとつ、秘境と言われる大杉渓谷へ一泊二日の登山。
登山経験のない自分が行くようなところじゃなかった。
登り始めてすぐにそう思ったけど、
来たからには前に進むしかない。
想像以上の険しさで、何で来てしまったんやろう・・・とさえ思ったりもした瞬間もあった。
でもそんな思いを覆すくらいの素晴らしい景色、天気にも恵まれ、
一緒に登った人たちの頑張り、優しさとあたたかさには本当に救われた。
自分との闘いだったなぁ。
小さくて弱い自分があちこちに出てくる。
ここで鎖から手が離れれば死ぬな、みたいな断崖絶壁も、
ただ一歩ずつ前に進むしかない。
でも頑張ったご褒美のように、いくつもの絶景に出会える。
川の水の透明感や冷たさ、谷から流れてくる風の心地よさに、
どれだけ気持ちをリセットさせてもらえたか。
自然の素晴らしさ、大きさ、恐ろしさ、やさしさ、
それらをここまで感じることは普段の生活では得られないもの。
街での暮らしの中で不自然になってしまってるものをすべて捨て、
自然の一部だったことを思い出す。
一泊させてもらう山小屋で働くキムキムに会えた。
来てよかった。