七瀬シリーズ最終作

 

 七瀬さんたちの壮絶な戦いを描いた前作、『七瀬ふたたび』とは打って変わって、今回は七瀬さんが学校の事務員として働いていました。その平穏な生活の中でありとあらゆる災厄から守られる生徒に出会います。その出会いが読者を衝撃的なラストに誘うことになりました。

 日常生活の中にある、壮大なSFの話はさすが筒井康隆氏と言えると思います。

「エディプス」はギリシャ神話に登場する人物のことです。実の母親と結婚したらしいです。また、「膨れ上がった足」という意味も持つらしいです。

『七瀬シリーズ』は筒井康隆氏の真骨頂と言える作品群であると言えますね。どの3部作も些か作風の毛色は違うのですが、根っこでは同じとでも言いましょうか。密度が物凄く濃いです。

『七瀬シリーズ』が3部作も執筆されたのは、偏に主人公である火田七瀬さんの魅力も大きかったと思います。僕自身も彼女のことが大好きです。一生懸命に生きている彼女に惹かれたとでも言いましょうか。