別れと出会いの怪談話第4弾
今回から従兄である富次郎さんも話に参加することになりました。人がどんどん増えている気がします。
『迷いの旅籠』
亡者に対する未練の話です。誰でも大切な者を失ったら、未練を感じるのは当たり前だと思います。その未練を描くのも、宮部みゆき先生は上手いです。
『食客ひだる神』
僕、この話が一番好きですね。ちょっと可笑しな珍騒動と言うか。心が温かくなる話でした。三島屋変調シリーズはどのような怪異が起きているのかを予想してみるのも楽しいです。食べ過ぎて房五郎さんの家を逼迫するひだる神がおかしかったです。人と物の怪、種族を越えた繋がりの物語だと思います。
『三鬼』
とある村での責任者を任されることになった男2人の友情が厚かったです。人間というのは誰でも、弱者を虐げてしまう闇が存在します。己の罪悪感と対峙する……深いテーマです。
『おくらさま』
変則的な話でした。呪いと祝福……それは表裏一体なのかも知れません。また、出会いと別れも表裏一体であることも感じました。
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