ドキドキ令和の時代に読んだ平成のラブストーリードキドキ

 

 かなり今更ですが、読んでみました。「誰か助けてください」という台詞は、この作品に触れていない人でも知っている人は多いのではないかと思います。(しょっちゅうパロディを見ます)この時代の恋愛小説は、柔らかい雰囲気の文章がいいですね。恋愛とは無縁な僕も、学生時代に一度はかわいい女の子と付き合ってみたかったです。

 物語はアキさんが亡くなる所から始まります。こういう導入の仕方、本の中の文章全てが、主人公にとっての大切な思い出という感じになります。

 朔太郎くんと彼の祖父の会話が個人的には好みでした。祖父は大分破天荒な人物ですが。誰かを愛するということは、世代を超えて普遍的なものであると感じました。

 ちなみに朔太郎くんの名は萩原朔太郎、彼の友達の大木龍之介は芥川龍之介から取りました。片山先生が文学が好きなことが伝わってきます。

 読んでいない人にとっては、わかりやすい恋愛ストーリーに思えるかも知れませんが、意外と死や人生に関して、思わずハッとさせられる言葉が多かったです。朔太郎くんとアキさんも学生なのに、彼らなりにいろいろ考えていると思いました。むしろこの年齢だからこそ、いろいろ考えてしまうのかもしれません。

 

お勧め度 ドキドキドキドキドキドキドキドキ