・鳩山氏がCO2の25%削減を国際公約へ ~中国から排出権大量購入の序章か?~
「25%削減」国連で表明決定 途上国支援も提唱:産経
政府は20日、首相官邸で地球温暖化問題に関する閣僚委員会の初会合を開き、鳩山由紀夫首相が22日にニューヨークで開かれる国連気候変動サミットで、「2020年までに温室効果ガスを1990年比25%削減する」という中期目標を表明することを正式に決めた。合わせて、途上国の温暖化防止対策を支援する「鳩山イニシアチブ」も提唱する。中期目標は年末にコペンハーゲンで開かれる気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)での合意が前提だが、自公政権の「05年比15%削減」を大幅に上回る目標が事実上の国際公約となる。
この日の閣僚委では、2013年以降の温暖化対策の国際的な枠組みを決めるCOP13の交渉をリードするためにも、率先して高い目標を掲げることが必要だとの認識で一致。米国や中国など主要排出国が新たな枠組みに参加することが目標実行の前提条件であることも確認した。
首相は、同サミットの開会式で10分程度の演説を行い、「あらゆる政策を動員して実現を目指す」として、日本の取り組みをアピールする方針だ。途上国支援では、国別の行動計画を策定して積極的に削減に取り組んでいる国に対し、技術移転や資金拠出で後押しすることを表明する。
また中期目標に対して、大きな負担を強いられる産業界などから反発が高まっていることに配慮し、各国の協調を求め、日本だけが突出しない姿勢も示す。
直嶋経産相、温室ガス25%削減を国際公約に:産経
直嶋正行経済産業相は17日、産経新聞などとのインタビューに応じ、2020(平成32)年の温室効果ガス排出量を1990年比で25%削減するという中期目標について、「主要排出国が枠組みに加わる」という条件つきで、国際公約として打ち出していくことを明らかにした。直嶋経産相は25%という高い目標を打ち出した理由として、「(削減目標を集約する)当事者に加わらないと、他国が決めた土俵に上がって削減義務を負うことになる。積極的に役割を果たした方が日本にとってプラスが大きい」と述べ、国際交渉での発言力強化に重点を置く姿勢を示した。ただ25%という数字の積算根拠については「具体的にはまだ提示できるものではない」と明言しなかった。
家計や企業活動へ大きな負担が予想され、批判が強いことを考慮し、「産業界を含めて意見をうかがいながら、新たな方策を生み出していく」と国民の理解醸成に力を入れる方針。今後、各界の有識者が参加した検討委員会の設置についても「必要になってくるかもしれない」と前向きな姿勢をみせた。
一方、11月から始まる太陽光発電の余剰電力買い取り制度については、法律が見直される2年後までに、太陽光だけでなくすべての再生可能エネルギーで発電した電気の全量を電力会社に義務として買い取らせる「固定価格買い取り制度」に置き換えたいとの考えを示した。
トンデモ発言として経済界や産業界から猛反発を受けているCO2の25%オフ目標を、あろうことか国連で発言しようとしているということに大変驚きました。日本国内だけであれば、途中でとても実現不能だということがわかって諦めたとしても、またブレたと批判されるだけで、それほど大事には至らないでしょう。しかし国際公約としてしまったらそうはいきません。環境問題で世界の主導権を執るべき日本が、平気で国際公約を破ったとして、世界中から大きなバッシングを受けることになります。
以前も指摘しましたが、日本のCO2排出は高い技術のおかげもあって、既に非常に高い水準にあります。ここからさらに大幅な削減は技術的に難しいのです。各企業はこの不況の中、CO2排出削減に向けた巨額の投資を強いられることとなります。政府に強いられた環境投資が企業の首を絞め、バタバタと倒れていくという構図になりかねません。また、この環境投資は各家庭にも多額の負担が強いられると言われており、それは一家庭あたり年間36万円の負担となるという試算も出ています。
景気回復、国民の生活支援と声高に叫ぶ民主党の政策とは全く逆行する動きです。さらに、高速道路無料化が実現すれば、CO2は3割増加するという試算も出ています。全てが民主党の政策、マニフェストと矛盾しているのです。
しかも、驚くべき事にこの25%という数字の根拠は何もないと明言するというのです。はっきり言って、民主党は頭がおかしいとしか私は思えません。
自身の全ての政策と完全に矛盾する上、何の根拠もない思いつきの数字を国連で発表して国際公約にすると誇らしげに語るこの国の政府を見て、おかしいと考える国民が今どれくらいいるでしょう。CO2の25%削減という数字を報道するマスコミはたくさんあっても、その深刻な問題点を指摘するマスコミはほとんどありません。
ここからは私の私見になりますが、私はこの問題についてある憶測を持っています。この排出権というやつは、自国で目標が達成できない場合、他国の排出権を買うことで帳消しにできるというおかしな構図ができあがっています。この仕組みのおかしさについては以前指摘しましたが 、それが現在の国際的なルールとなってしまっています。
もしかして民主党は、最初からできない大きすぎる目標を掲げ、できない分を大量に中国から買おうという目算をしているのではないかと私はひそかに勘ぐっています。もしそうであれば、巨額のお金を中国へ合法的に”無償”で渡すことができるようになります。もしそうだとすれば、何の根拠もない25%というとんでもない数字を、国内の企業や国民に多額の負担を負わせてまで勝手に国際公約にすることの説明が全てつくのです。
政権が発足してまだ一週間も経っていないませんが、この国は予想以上に悪い方向へ動き始めているのかもしれません。
参考書籍:
民主党の正体――矛盾と欺瞞と疑惑に満ちた、日本人への恐怖の罠(OAK MOOK 305 撃論ムック)
西村幸祐
民主党解剖
産経新聞政治部
民主党の闇 理念なき批判政党、その疑惑と金と政策の研究
宇田川 敬介