・中国共産党がチベットに関する全ての情報を遮断   ~中国の情報統制はいつまで有効か~ | アジアの真実

・中国共産党がチベットに関する全ての情報を遮断   ~中国の情報統制はいつまで有効か~

チベット暴動、治安当局がラサで住民数百人を拘束:読売
 中国チベット自治区ラサで起きた大規模暴動で、インド北部ダラムサラに拠点を置く民間活動団体(NGO)「チベット人権民主化センター」は16日夜、人民武装警察部隊など中国治安当局がラサのチベット族住民の住宅を一軒一軒捜索し、これまでに数百人を拘束したと伝えた。(中略)
 同センターによると、ラサ市内の表通りは武装した警官や装甲車が厳重に警戒。すべてのチベット族住民の住宅に対して徹底した捜索が行われ、疑わしい人物が次々に拘束されている。元政治犯もすべて拘束された。警官が若者を連行する際、激しい暴行を加えるため、母親たちがやめるよう懇願していたという。

 自治区当局は15日、暴動に関与した住民に対し、18日午前0時までに自首すれば処罰を軽減するとの通知を出した。だが、その後も投石行為が散発的に行われるなど緊張した情勢が続いている事態を重視し、前倒しで拘束に乗り出したとみられる。

 新華社電によると、自治区当局は16日、「安全への懸念」を理由に、外国人のチベット旅行許可申請の取り扱いを一時停止すると発表した。また、同センターは、16日に四川省アバチベット族・チャン族自治州のアバ県で起きた暴動は数千人が参加した大規模なもので、死者は15人に増えたと報じた。

 さらに、米政府系メディア「ラジオ自由アジア」によると、蘭州の大学でもチベット族の学生数百人がラサでの住民弾圧をやめるよう当局に求め、デモ行進した。


チベットのネット統制“ほぼ万全” 中国、巧みに世論操作:産経
 【北京=福島香織】中国チベット自治区ラサで発生した僧侶、市民らの騒乱後、2億1000万人(07年末)のネットユーザーをかかえる中国ではネット統制に拍車がかかった。国際的な動画投稿サイト「You Tube」はアクセス禁止。メール検閲も厳格化され、掲示板、チャットも監視がきつくなっている。ネットは中国においてしばしば情報統制のほころびとなってきたが、ネット人口が少ないチベットにおいては徹底統制にほぼ成功しているといえそうだ。

 You Tubeは、ミャンマーの民主化要求デモ発生時など国内世論に影響を与えそうな国際事件が発生するたびアクセス禁止となっていた。BBCなど今回の事件の動画が見られる海外メディアサイトも軒並みアクセス禁止。海外のチベット独立派や人権団体のサイトはもともとアクセス禁止なため、海外の視点からの報道は国内ではほぼ得られない。

 一方、チベット側のネットユーザー管理も強化。チベット自治区内のネットユーザーは07年末でわずか32万人。数は極めて少なく徹底管理がしやすい。記者あてのラサ発のメールも届かないものが多く、ネット上のチャットルームは開くだけで画面にサイバーポリスのアイコンが浮かび牽制をかけてくる。(中略)

  国内公式報道は、抜き身の刀を下げているチベット人や僧侶が商店の破壊に参加する映像とともに「ダライ・ラマ独立派の策動」などといった内容を伝えている。このためネットの掲示板でも当局の鎮圧行動を支持する意見が多く、世論操作に成功しているようだ。 



 中国のチベットへ対する虐殺、人権侵害が深刻な状況になってきています。報道機関はもちろん、外国人は一切チベットに入ることは禁止され、主要道路には軍が封鎖。さらにはインターネットやメールも遮断と、完全にチベットの情報は中国が操作したものだけしか外に流れない状況となっています。

 そんな状況から漏れ聞こえる情報では、既に500人以上が虐殺されているといったものもあれば、上記記事のように、中国当局がチベット人の家を一軒一軒捜索し、元政治犯はもちろん、少しでも疑わしいものは激しい暴行を加えながら連行するという、現代では考えられないような人権侵害が行われているという情報もあります。この拘束された数百人は拷問の末虐殺されてしまうのでしょうか?

 ダライ・ラマやアメリカ政府も要求していますが、中国は国際的な信用を取り戻したいのであれば、外国メディアや国際的な調査機関を今すぐにチベットへ迎えるべきです。

 

 一方で中国政府はそのような要求を無視し、国内の世論を操作する為に、インターネットやメールの情報を全て検閲し、チベット問題について中国共産党にとって不都合な情報は全て遮断、共産党が操作した情報しか与えないことで国内へ対してはなんとか統制を保っている上に、チベット現地からも共産党にとって都合の悪い映像や情報が漏れないように、道路遮断や情報遮断を行っていますが、これもいつまで続くでしょうか。

 もし、中国軍がチベット人や僧侶を銃撃している映像や写真が一枚でも流れれば中国は終わりでしょう。既に欧米各国やインドの人権団体やチベット支援団体は爆発寸前の様相です。各国の政権も中国政府へ対しては厳しい態度を崩していません。今は中国共産党の統制が効いていますが、一枚の写真や映像がそれを一気に崩す可能性は十分にあります。また、チベット問題が爆発すれば、トルキスタンなど他に弾圧を受けている地域や、中国共産党に不満を持つ農村部が時期に乗じて同時にデモや暴動を起こす可能性があります。そうなったら外国が圧力をかけるまでもなくこの国は時間をかけることなく自滅するでしょう。

 

 それにしても、いつも声高に”人権問題”を主張する日本の市民団体の皆さんがとても静かなのが気になります。日本ではチベット支援団体が少数で東京でデモを行った以外、欧米諸国で行われているような大きな抗議の声は聞こえてきません。先日も、中国の軍艦が日本に寄港した時も、自称平和団体は一切抗議の声をあげなかったことを記事 にしましたが、こういうときに、これらの団体が本当は一体何が目的なのかということがはっきりとわかります。もう少し偽装工作でもすれば良さそうなものですが、本当に露骨です。


人気ブログランキングバナー ←このBlogに何かを感じたらクリックして下さい。

 

参考書籍:

中国はいかにチベットを侵略したか
マイケル ダナム Mikel Dunham 山際 素男
477004030X


囚われのチベットの少女
フィリップ ブルサール ダニエル ラン Philippe Broussard
4901510061


ダライ・ラマ自伝 (文春文庫)
ダライラマ The Dalai Lama of Tibet 山際 素男
4167651092