マッサンで話題のニッカウヰスキー 余市蒸溜所 | Lancashire スローライフ

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現在NHKの朝ドラで放送されてるマッサン、見てる人いますか?
日本で初めて、国産ウィスキーを作り、ニッカウヰスキーの創立者竹鶴政孝さんとその妻リタさんの物語ですが、私もオンラインで視聴しています。
朝ドラは、あまりチェックしてなかったけど、お友達tataさんが教えてくれたので、これは見たいなぁ~と思ってたのです。

北海道の余市町にニッカウヰスキーの工場があり、子供の頃は、小樽に住んでいたので、学校の見学旅行等で、何度か行った事があったんですが、その頃は、当然ウィスキーなんかに全く興味も無く、記憶としてはほとんど残っていないんですが、最後にこの工場に行くと、いつも美味しいジュースが飲めたって事位しか実は、覚えてませんでした。

私がイギリスに住み始めた翌年(2008年)、ウィスキーの国際コンテスト「ワールド・ウィスキー・アワード(WWA)」において、ニッカの「余市1987」が、世界最優秀賞「ワールドベストシングルモルトウィスキー」に選ばれました。
ちなみにブレンド部門では、サントリーの「響30年」が選ばれました。
本場のスコッチを生産しているスコットランド以外の国で最優秀賞に選ばれたと言う事で、大きくこちらの新聞で取り上げられており、その記事を読んだママが、私に知ってる?と。
この当時、こちらでもサントリーのウィスキー(山崎)はたまに見かけてたけど、ニッカのウィスキーはまだほとんど見かける事もなかったので、サントリーは聞いた事あってもニッカと言う会社は知られていなかったと思います。
実は、その時は知らなかったのですが、その前年2007年にはWWAのブレンド部門で、「竹鶴21年ピュアモルト」が最優秀賞に選ばれてました。
その頃から、ニッカのウィスキーも少しずつ世界で認められるウィスキーになり、最近は、英国でもウィスキー専門店等で、たまにニッカのウィスキーも目にするようになりました。

ママ方の祖母は、スコットランド人で、スコッチが好きだったし、ボンもスコッチは詳しく、ウィスキーも好きなので、日本に帰省した時は、この余市工場に見学に行こうと言う事になってました。
それが実現したのが、2009年4月。

ニッカウヰスキー余市蒸溜所は、小樽の隣町にあります。
無料で工場見学でき、その後、無料試飲もできるし、帰りに小樽に寄ってこようと言う事で、電車で行きました。
(余市へ向かう電車は少ないので、車で行くのが便利で、駐車場も工場裏手にあります。試飲コーナーでは、運転手さんやお酒が飲めない人用にりんごジュースやソフトドリンクも用意されてます。)



余市駅から歩いてすぐのこんな立派なお城の様な門構えがニッカウヰスキー余市蒸溜所です。
受付で、入場登録し、工場見学ツアーをガイド付きにするか、自由に見学するかが選択できます。
ガイド付きのツアーも無料で行われており、ちょうどそんなに待たずにツアーがある時間だったので、日本語のガイドツアーですが、私達はガイド付きをお願いしました。



入口入ったところには、記念写真撮影スポットがあって、樽の上にカメラを載せて、タイマーで写真が撮れるようになってました。



ガイドさんとご対面した時には、ちょうど空いてる時期だったこともあり、私達二人専属のガイドさんでした。
しかも日本らしく、若い女性のガイドさんで、バスガイドさんやエレベーターガールを思わせる赤い制服に帽子を被っていて、ボンが驚いてました。
(若い女性がウィスキーの事、説明できるほど知ってるの?って
ガイドさんもボンが外国人だったので、英語では説明できないんですけど、大丈夫ですか?と声をかけて戴きました。
ボンは、日本にも6年半ほど住んでいたので、少しなら日本語も理解するのですが、この案内では、ウィスキー用語が色々出てきて、私の方がで、日本語の案内だったのに、ボンの方がはるかに理解していたようです



こんな石造りの建物が並んでて、工程順に見学していきます。
中を見学できない場所もあります。



ここが、蒸溜行程で、ポットスチールという醸造釜で石炭による直火蒸溜が行われています。
熟練職人が長年の経験を元に温度が上がり過ぎないように石炭をくべるのです。
これは、温度の高い夏場には、あまり行わないのと、外気温によっても石炭のくべ方が変わったりするので、管理が難しく、最近では、日本で石炭直火蒸溜を行ってるのは、この余市工場だけと言ってました(私は、運よく別の年に来た時に珍しい石炭蒸溜を行ってるところを見れました)。
本場、スコットランドでも機械化しているところが多くなっているようです。

  

ドラマでは、まだ山崎の工場だけど、同じような蒸溜風景が見られます。



こちら発酵タンクです。
糖化液はこのタンクに移され、酵母を加えて、発酵に入ります。



写真がなかったけど、竹鶴政孝さんの事務所として使ってた場所もそのまま残っており、外から覗けるようになってます。
確か、入口には、創立した当時の大日本果汁株式会社と言う看板が立ってました。
これは、ウィスキーは作ってから熟成期間が必要で、最初の5年位は、収入を得る為に余市で取れるりんごでリンゴジュースを作って売り始めた為、会社の名前も大日本果実株式会社と言う名で始めた様です。そして、5年後いよいよウィスキーを売り出すにあたって、当時の会社名の大日本の日と果実の果を取って、ニッカウヰスキーと言う社名に変更したそうです。
子供の頃、この余市工場に工場見学に来た時、飲んだ美味しいジュースって、今思えば、このりんごジュースだったんですね。
行くまでは、ぶどうのジュースだったかな?なんて思ってたんですけどね。



この時は、4月中旬だったので、除雪された雪が構内に残ってました。

  


貯蔵庫がずらっと並んでいて、ウィスキー熟成中の樽がずらっと保存されてます。


北海道らしく、構内には白樺の木が並んでいて、この右に見えてる緑の屋根の西洋風の家が、竹鶴夫妻の家だったようです。
こちら、余市町の別な場所にあった家を移築し、復元したようです。
この日は、中は見学できなかったのですが、別の時に行った時に一度だけ玄関ホールと庭園を見学する事ができました。


こちらは、ウィスキー博物館。
ウィスキーの歴史、製造過程、竹鶴政孝さん、リタさんの生い立ち等、色々展示がありました。
ガイドさんと別れてから、実はここに戻ってきてゆっくり見学し直したので、しっかり歴史を学びました。
この会社の創立者竹鶴政孝さんは、酒造の次男で、お酒の勉強をしてたら、洋酒作りに興味を持ち、昔のサントリーの社員として働く事に。
そんな中、本場スコットランドでスコッチの製法を学んで来ないか?との提案で、スコットランドへ留学した際、そこで知り合ったスコットランド人リタさんと結婚し、奥さんを日本に連れて帰ってきました。
ただ、帰ってきてすぐは、戦争が始まり、景気が悪くなって、ウィスキーを作れる状態ではなく、何年間かは、ウィスキー作りはスタートできなかったようです。
それから、数年後、やっとウィスキー作りを再開する事になり、竹鶴さんがサントリーに呼び戻され、サントリーは工場を関西方面に建てたいと思ってて、竹鶴さんは、スコットランドの気候に似ている北海道がいいと提案したけど、その案は通らず、結果山崎に工場を建て、しばらくはそこで、スコッチの作り方を伝授(契約の10年だったかな?)したけど、どうしても本場の環境に近い北海道でウィスキーを作った方がいいのではないか?という夢が捨てられず、サントリーを辞めて、ニッカの工場を余市に創立する事になったようです。
つまり、日本の世界で認められているウィスキーは元々、サントリーもニッカもこの竹鶴政孝さんがスコットランドで学んできた製法で作ったウィスキーだったと言う訳です。
ドラマでは、フィクションになってるので、少しだけ、実際の内容とは、異なってるところもあります。


  


昔のポスター。右からの横文字です。
右の角瓶が、初代のウィスキーだったと思います。



ここも撮影スポットになってます。



こちら無料の試飲会場になってます。
最後に案内してくれたガイドさんと一緒に
ちょっとしたおつまみは有料ですが、竹鶴17年、余市10年、後はアップルブランデーとリンゴジュースを含むソフトドリンク各1杯ずつ無料で試飲できるようになってました。
私は、そんなにウィスキーは飲まないので、一口だけ味見し、後は、ボンにあげ、私はちょっと甘いけどアップルブランデーを楽しみました。これは女性向きだと思います。

試飲してから、ツアーでザッと周ったウィスキー博物館に戻り、ゆっくり見学し直して、有料カウンターに行って、2008年WWAで最優秀賞を取った「余市1987年」を是非、飲みたいと言ったら、賞を取ってから、すぐに売り切れてしまったようで、その1年後の「余市1988年」なら飲めると言う事で、そちらを1杯オーダー。
どうやら、ボトルでは、この「余市1988年」も既に完売してるとの事。
ウィスキーは長年の熟成が必要なので、賞を取って美味しかったから・・・と増産できないというのも価値があるのかもしれないですね。

ボンのおかげで、私もすっかりウィスキーの歴史を学び、サントリーとニッカのウィスキーの原点がこの同一人物だった事、本場のスコッチ製法を受け継いで、今、日本のウィスキーも世界で認められるようになった事など、よく理解できました。

もし、サントリーが最初から山崎に工場を建てずに、余市に工場を建てていたら、もしかするとニッカウヰスキーと言う会社は今は存在していなかったかもしれないな~なんて思ったり

その後、すっかりこの工場見学が気に入ってしまったボン。
だって、工場見学は、無料だし、ウィスキーの試飲まで無料ですからね。
毎回、日本に帰省する度に一度は行く様になってました。
勿論ガイドツアーは付けずに自由見学で、時には、工場見学はほぼ素通りで、最初から試飲カウンターに向かったり・・・
醸造所限定のウィスキーとか買って帰ってきたりしてましたが、最近は、醸造所限定品以外の普通のニッカのウヰスキーは、他で買った方が安いし・・・と言う事で、昨年の帰省時には、初めて行かずじまいに終わってしまいました。

そして、2014年7月がニッカウヰスキー創立80周年と言う事で、マッサンが放送されるようになってから、ニッカウヰスキーの余市工場見学者もかなり倍増したようです。

宇宙飛行士毛利さんが、余市出身だった事もあり、宇宙記念館もあるし(行った事ないんですが)、後は、北海道民ならみんなが口を揃えて言うのは、ニッカウヰスキーを見学した後は、駅前の柿崎商店で食事が定番です。

この柿崎商店、1階は鮮魚、干魚、その他色々置いてるお店で、その2階が食事処になってます。
水産会社直営店なので、新鮮でボリュームたっぷり、しかも安い定食や丼ぶりものが戴けます。

  

うに丼(旬の時期だけだったかも)、ホッケ定食、鮭とイクラの親子丼など。
(あ~、食べたい!!)

もう一つ、余市の道の駅で販売しているアップルパイも美味しいです。
こちら、余市駅でも14時からだったかな?限定販売で、買う事ができます。

  

余市特産のりんごの大きな角切が入ったアップルパイ。
アップルパイと言うと、ホールが多いと思いますが、三角の形に作られた一人食べきりサイズなのもお土産として人気の秘密じゃないでしょうか?
1個食べると結構食べ応えありますが・・・
実家にお持ち帰りしましたが、パイがサクサクで中のフィリングのりんごが美味しかったです。

マッサンをオンラインで視聴してたら、なんとなくブログでも紹介したいなぁ~と思い、古い写真を引っ張り出してみました。
楽しんでいただけたら、幸いです。

今冬は、雨が多く強風は多かったけど、10℃前後の日も多く、比較的暖かかったけど、昨日位からグンと気温が下がって、何度かあられが降ったり止んだりしてます。
まだ数日、寒さが続きそうです。