現実と見えるものにはまり込んだときに
あはっと笑えて力が抜けるお話。
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人生は動きである。行動すれば、動けば、私たちは存在します。
( Life is movement. If we act, if we move, we exist. )
動きがなければ生きることは不可能です。
しかし、生きている体は、それ自体では動くこ とができません。
実際、最高の骨格と最高の筋肉で体を作り、それを組み合わせたとしても100万分の1秒と立っていられないことがわかるでしょう。
脳がないのですから、倒れてしまうでしょう。
つまり、脳(brain)や心(mind)は、骨や筋肉と同じように、私たちの物質的な構造の一部なのです。
脳の機能は、骨格をはじめとする肉体的構造の部分の機能とは全く異なります。
生きとし生けるものは、構造と機能が両立していなければなりません。
機能で最も重要なのは
「心(マインド)は何をして、脳は何をするのか?」ということです。
脳がない心を見たことがある人はいるだろうか。体が脳の物質的な支えであるように、脳は心の物質的な支えなのです。
例えば、骨格や筋肉、臓器、そして脳を組み込んだ機械をつくるとします。
その脳が英語やトルコ語を話すだろうか?
話すことはできないでしょう。
そのような脳は、本を読んだり、数学を考えたり、音楽を聴いたり、何かを制作することができるのだろうか?IBMの機械やマイクを作ることができるだろうか?
もちろん、そんなことはできません。
脳はこの世に生を受けたとき、どんな動物の脳にも、呼吸機能、消化機能、排泄機能など、自律神経の働きによる身体の自発的なプロセスはできるように調整されています。
それ以上のことは「配線 (wire-in)」しなければならないですが、その脳は、はじめは立ち方さえ知りません。
読むことも、口笛を吹くことも、タップダンスを踊ることも、スケートをすることも、泳ぐこともできないでしょう。
脳が完全に機能するためには、脳を調整し、接続する必要があります。
私がマイクを見ていると仮定します。
私の目はそれを見て、私はそのイメージを認識 (識別)します。
しかし実は、私の脳内にはマイクのイメージはありません。
網膜にマイクのイメージがあるだけです。
左右の目からの2つに分離されたイメージが網膜を通り、
大脳皮質の4つの部分に映し出されますが、実際にはマイクの実像はありませ ん。
しかし、「見る」という機能は、目で見たものを脳の中で画像化させます。
脳は一種の学校教育を受け、客観的な現実を認識するようになります。
したがって、現実とは環境と身体そのものを含むものです。
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モシェ・フェルデンクライス博士の残した記事[Embodied Wisdom 第12章]より抜粋
(個人的に翻訳したものなので、間違っていたらすみません。)
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